辺見マリ(64才)が9月14日の放送『しくじり先生』(テレビ朝日系)で、13年にも及ぶ洗脳による詐欺を告白した。詐欺によって奪われたのは、5億円。いまだ1円もかえってきていないという。
芸能生活に不安を感じていた辺見は、当時のマネージャーに拝み屋・Kを紹介される。家族のトラブルを予言され、相談料として100万円単位のお金を渡すようになっていったという。
さらに、Kの元には辺見以外の女性相談者Aが訪れていた。KはAとお祈りなどの「修行」に励んでいた。最初は傍観者として修行を眺めていた辺見だが、やがて「仲間外れ」にされていると嫉妬するようになる。
「彼女たちがうらやましい、私だけ入れないのは悔しいっていう心境になって…。そんな嫉妬心に耐えられず、ついに私の方から“修行させてください”と言ってしまったんです」
以来、みんなでの修行生活が始まった。
「当時、修行にかかる出費や食費など、すべての生活費を辺見さんが出していました」(当時を知る辺見の知人)
出会って1年が過ぎた頃、Kは「神様が仕事をやめるよう言っている」と告げて、辺見を芸能界から引退させた。辺見は番組内で、「これは洗脳の非常に大事なポイント」と強調し、こう続けている。
「仕事をやめさせることで社会から断絶し、完全に自分たちで囲い込む。こうして私は100%洗脳されました」
洗脳が完成した辺見はそれからたった半年で1000万円をだまし取られた。その後、Kは突然姿を消す。だが、辺見はもはや「神の言葉」抜きには生活ができなくなっていた。私はこれから何にすがればいいのか…絶望する辺見の前に、新たな拝み屋が現れる。一緒に修行していたAだ。
「私、ついに神様の声が聞こえたわ!」
突如そう言い出したAを見て辺見は心から安心し、全てをゆだねていった。以後、辺見はAの巨大な悪意にのみ込まれていく。
「金は汚いから全て捨てて浄化しなさい」
Aはそう言って、辺見に全財産を投げ出させた。
「その捨て方というのがまたすごい。“マカオのカジノでスッてこい”と命令するんだそうです。Aと一緒に頻繁にマカオに行っては、バカラ賭博で1回1000万円単位で使っていた」(前出・辺見の知人)
Aに求められるまま、辺見は自宅を売却し、片っ端から知人に金を借り、15才で芸能界デビューしていた娘・えみりのギャラにまで手を出した。その後、嘘だらけの自叙伝を出版し、1993年にはヘアヌード写真集も出した。当然、ギャラはすべてAの手に入った。
脱洗脳の転機は2001年だった。Aに言われてダイエット教室を開いた辺見だが、生徒たちの入会金計2000万円をAが持ち逃げしたのだ。この時の心境を、辺見は番組でこう語る。
「私の中で初めてAへの“怒り”が湧いてきたんです。自分のお金より、自分を信じてくれた生徒たちのお金の方がずっと重かった。彼らが預けてくれたお金を奪われたことが許せなかった。その瞬間、ようやく私は目を覚まし、洗脳が解けたんです」
Aと絶縁した辺見だが、13年間の洗脳生活で失った金は、4億9000万円にのぼった。えみりへの返済は今も続いているという。
※女性セブン2015年10月8日号