安保法制審議の大詰めでのセクハラ、暴力を巡って与野党の泥仕合となっている。民主党の津田弥太郎・参議院議員が「自民党の石井浩郎(参院議員)がセクハラした!」と発言したとされる問題が噴出する一方、民主党の安井美沙子・参議院議員はツイッターで、採決前に〈ヒゲの隊長こと、佐藤正久筆頭理事は私の目を真っ正面から睨み付け、ゲンコツで私の右胸と脇の境目にグリグリと押し込んだ〉(9月17日)と訴えている。さらには、津田氏も自民党の大沼瑞穂氏を引き倒し、怪我を負わせたと報じられた。
本誌前号では参院平和安全法制特別委員会鴻池祥肇・委員長のオフレコ記者懇談での「蓮舫、あれはいい女や~」「委員長席に詰め寄ってきたら抱きしめちゃう」といった放言を報じたが、「それを読んだのであろう民主党の男性参院議員が鴻池さんを呼び止めて、『明日の夜、蓮舫さんが中華料理を委員長に御馳走したいと言っています。予約しておきますね』とからかっていた」(大手紙政治部記者)といった目撃談もある。
国民の半数以上が反対する法案の強行採決を阻止するために野党があらゆる議会ルールを駆使することは当然だろう。だが、「女性」であることを逆手に取る「セクハラ戦術」はとうてい国会戦術と呼べるものではない。
※週刊ポスト2015年10月9日号