風が冷たくなってきた夜の帰り道、「今日はゆっくり湯船に浸かろう」と思ったあなた。“温めるツボ”を押さえれば、きれいになれるチャンスがあることをご存じだろうか? そのツボとは、おへそ。今、「へそ美容」は、シンガポールや台湾など海外で注目されている最新美容法なのだ。
薬剤師で国際中医師の大久保愛さんが解説する。
「おへその周りにはツボが集中していて、おへそを温めることで周りのツボが刺激されます。また、おへそが温まることで、臓器が温まるので、便秘、ホルモンバランスの乱れ、むくみなど体の不調が改善されやすい。ダイエットや美肌効果もあります」
昔から東洋医学では「へそには神が宿る」大切な場所とされてきた。
「特に、東洋人は胃腸が欧米人より弱いといわれていて、漢方の治療でも日本人はまず胃腸の状態をよくすることから始めます。お腹まわりが冷えると胃腸の働きが止まるので、昔からおへそ周辺を温めるなどして体の機能を整えてきました」(大久保さん、以下「」内同)
へその内側には胃、肝臓、腸、子宮などの臓器があり、へそが冷えるとそれらの機能が低下してしまう。例えば腸が冷えれば便秘や肌荒れ、胃が冷えれば胃もたれ、子宮が冷えればホルモンバランスが乱れるなど、さまざまな不調が表れる。それらを解消するのが、へそ美容なのだ。
「おへそから体全体が冷え、血行不良になり冷え症になってしまう。また、血流が悪くなると体がむくみ、基礎代謝も下がるので、太りやすくなる。体温が1℃下がると基礎代謝が12%下がるというデータもあります。おへそを温めて代謝を上げれば、痩せやすい体になるのです」
温め方にコツはあるのか。大久保さんのオススメは、使い捨てカイロだ。
「タオルなどで包んで温めましょう。これからの季節だと湯たんぽもいいですね。時間が空いたときにおへその上に手を置いて、そっとなでて温めてあげるだけでも大丈夫です。寝る前にお腹に手を置いて温めると、胃腸が動いて副交感神経が優位になるからリラックス効果が出て、不眠解消にもつながります」
へそまわりには8つのツボがあり、それぞれ効果が違う。おへそから指3本分の両サイドにある“天枢”は便秘、おへそから指1本分上にある“水分”は代謝を上げてむくみ解消に効果的など、自分にあったツボを温めよう。
「不調だと感じる機能、よくなりたいと思う機能に効果的なツボを温める、もしくは軽く押すことで効果が出ます」
※女性セブン2015年10月8日号