国内

川崎老人ホーム事故 窃盗容疑の職員は異常に羽振りよかった

 入居中の高齢者3人が相次いで転落死した、川崎市の有料老人ホーム「Sアミーユ川崎幸町」。介護施設という閉鎖空間で起きたために、警察もマスコミも実態が掴めないでいる。

 そんななか本誌は、この施設で働く現役職員B氏(37)から重大証言を得た。3件の転落死が起きた夜にいずれも当直を務め、後に窃盗で逮捕された介護職員のA氏(23)に関する内部告発だ。

 事故直前にA氏がB氏に「(転落死した入居者のことについて)そろそろやばいかも」と口走ったり、A氏が発見した3件目の入居者は自分の部屋以外から転落していたりと、不審な点が多かったという。

 さらに、B氏によれば、A氏が担当した入居者が亡くなった事例は、この3件だけではない。昨年12月中旬にも89歳女性がトイレで倒れているのをA氏が発見したといい、この女性の遺族も疑念を抱いている。

 実はA氏は3件目の転落事故後、夜勤を外されている。それ以降、入居者の転落死は途絶えるのだが、代わりに相次いだのが窃盗事件だった。

 A氏は5月21日に窃盗容疑で逮捕され、同じ日にSアミーユ川崎幸町を懲戒解雇されたが、その被害総額は200万円以上にのぼるという。当時のA氏は「異常なほど羽振りがよかった」とB氏は証言する。

「逮捕の1か月前くらいからは、同僚にしょっちゅう食事をおごっていましたね。僕も1度連れて行ってもらいましたが、お台場にある高級ホテルで1人2万2000円の神戸牛のコース。追加でA5ランクのフィレステーキなどを注文して、2人で会計が7万7000円でした。

 お金は全部Aが払ってくれました。他の同僚に聞いた話では、同じ店に3~4人で行って、会計は14万円だったそうです。Aが『このホテルの系列だけで70万円は使ってるな~』といっていたのを聞いたことがあります。

 Aは東海大学の救急救命センターで夜間のバイトをしていると聞いていたので、それでお金があるのかなと思っていました」(B氏)

 しかし、A氏が窃盗で逮捕された後、警察に情報提供を求められたB氏は、そこで事実を知らされる。

「彼が救命センターの夜間バイトをしているというのは嘘だというのです。昨年10月には妹が交通事故で亡くなったという理由で、忌引で1週間休んだことがありましたが、それも嘘で、妹は生きているそうです。さすがにショックを受けました」(B氏)

※週刊ポスト2015年10月9日号

関連キーワード

トピックス

三笠宮妃百合子さま(時事通信フォト)
百合子さま逝去で“三笠宮家当主”をめぐる議論再燃か 喪主を務める彬子さまと母・信子さまと間には深い溝
女性セブン
氷川きよしが紅白に出場するのは24回目(産経新聞社)
「胸中の先生と常に一緒なのです」氷川きよしが初めて告白した“幼少期のいじめ体験”と“池田大作氏一周忌への思い”
女性セブン
公益通報されていた世耕弘成・前党参院幹事長(時事通信フォト)
【スクープ】世耕弘成氏、自らが理事長を務める近畿大学で公益通報されていた 教職員組合が「大学を自身の政治活動に利用、私物化している」と告発
週刊ポスト
多くのドラマや映画で活躍する俳優の菅田将暉
菅田将暉の七光りやコネではない!「けんと」「新樹」弟2人が快進撃を見せる必然
NEWSポストセブン
阪神西宮駅前の演説もすさまじい人だかりだった(11月4日)
「立花さんのYouTubeでテレビのウソがわかった」「メディアは一切信用しない」兵庫県知事選、斎藤元彦氏の応援団に“1か月密着取材” 見えてきた勝利の背景
週刊ポスト
田村瑠奈被告(右)と父の修被告
「ハイターで指紋は消せる?」田村瑠奈被告(30)の父が公判で語った「漂白剤の使い道」【ススキノ首切断事件裁判】
週刊ポスト
10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
「週刊ポスト」本日発売! 小沢一郎が吠えた「最後の政権交代を実現する」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 小沢一郎が吠えた「最後の政権交代を実現する」ほか
NEWSポストセブン