安保法制を巡っては礒崎陽輔・首相補佐官の「法的安定性は関係ない」発言を始め政府・与党から問題発言が続出した。
金銭トラブルで自民党を離党した元麻生派の武藤貴也・代議士は法案反対の若者たちを「『だって戦争に行きたくないじゃん』という自分中心、極端な利己的考え」と批判したが、親分の麻生太郎・財務相は発言内容を注意するのではなく、「自分の気持ちがいいたいなら法案が通ってからにしてくれ」といってのけた。
「首相とは安全保障の考え方が違う」と安保担当相就任を固辞した石破茂・地方創生相の法案成立後のコメントはこうだ。
「賛成・反対、いずれの立場に立つにせよ、国会ではこれらについての議論がもっと深く、真摯に行なわれることが期待されたのですが、もともと素地が無いところに理解を求めることは極めて困難なことでした。
その責任の多くは、戦後長く政権を担ってきた我々自民党が負うべきものですし、これからもそうなのでしょう。だからこそ、今後とも更なる努力が必要だと強く思う所以です」
まるで他人事のような石破氏の発言こそが、反対の声を軽く見る自民党の慢心を象徴している。
※週刊ポスト2015年10月9日号