カレーチェーンとして「一人勝ち」の様相を呈している『カレーハウス CoCo壱番屋』。国内の店舗数は1200以上に及び、年間9000万食を販売する。
同チェーンの魅力は、自分好みのカレーを作り上げることができる多彩な「トッピング」だろう。店舗によって多少異なるが、トッピングは約40種類。辛さも10段階から選べる。
本誌カレー好き編集Yの「定番」は「『手仕込ヒレカツカレー』+ほうれん草トッピングで2辛」である。ちなみに、大体の『CoCo壱番屋』には自由に読めるマンガの本棚がある。『名探偵コナン』や『はじめの一歩』を読みながら、カレーをむさぼるのが何よりの楽しみだ。
話をトッピングに戻そう。『CoCo壱番屋』経営企画室・平尾康能氏によれば、トッピングの人気上位は1位「チーズ」、2位「ロースカツ」、3位「やさい」となっている。
豊富なトッピングが生まれた背景には、創業者・宗次徳二氏の思想がある。1978年、愛知県名古屋市郊外の西春日井郡西枇杷島町(当時)に1号店をオープンして以来、宗次氏は「ノーといわない壱番屋」をモットーに、客の要望に愚直に応えていった。
「カツカレーにチーズをのせてくれ」「トマトのスライスを添えて」「イカも食べたい」などというリクエストに応じていくなかで、現在のスタイルが確立されていった。
今年6月からは10段階の辛さに加え、1甘から5甘まで「甘口の段階」も選べるようになった。
「全店舗の7割が駐車場付きの郊外型で、家族連れが多い。そのため3年前から甘さの研究を重ねていました」(平尾氏)
「選べる楽しさ」を突き詰めたことが、『CoCo壱番屋』成功の秘密だった。
※週刊ポスト2015年10月9日号