声優の金田朋子をはじめ、声がユニークなタレントがテレビで活躍している。古くからバラエティー番組には声芸タレントというのは欠かせない存在だ。彼らがテレビ界で重宝される理由はどこにあるのか? テレビ解説者の木村隆志さんが分析する。
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声優・金田朋子の姿をバラエティー番組で見る機会が増えています。人気の秘けつは、もちろん「一度聞いたら忘れない」声の面白さに違いないのですが、それが、無類の明るさ、突拍子もないコメント、10才年下夫とのエピソードなどと見事にシンクロしていることも大きいでしょう。
言わば“変な声”を軸に据えた“声芸”を武器にしているのですが、それは金田に限った話ではなく、バラエティー番組では常に重宝されてきました。かつての山瀬まみ、吉川ひなの、ピンクの電話・清水よし子。2000年代に入ってからは、安田大サーカス・クロちゃん、小倉優子、芹那、ふなっしー。今年に入ってからも、超ロリ声の私立恵比寿中学・廣田あいかや、ほとんど聞き取れないガサガサ声のプロレスラー・本間朋晃、天龍源一郎ら、変な声のタレントがバラエティー番組を盛り上げています。
そんな声芸タレントが重宝されている理由は2つ。1つ目は、「変な声=変な人(面白い人)だろう」というイメージ。心理学に「人の評価は、ある特徴的な一面に影響されやすく、他の側面も同じように感じやすい」ハロー効果という言葉があります。
視聴者は、声芸タレントの声を聞いた瞬間、「変な声=変な人(面白い人)」という期待感を抱き、「何を言っても、何をやっても面白い」といわゆるツボに入った状態になりやすいのです。また、金田のように声の個性が強いほど、初めて聞いたときのインパクトが持続しやすく、視聴者に飽きられるまでバラエティー番組に出続けることができます。そのパターンは“変な声”と“変なヘアメイク”の違いこそありますが、「変なヘアメイク=変な人(面白い人)だろう」のイメージがあるオネエタレントと似ているかもしれません。