日本のプロ野球界はいま、各球団の監督・コーチ、そして選手の移籍を含めたストーブリーグの話題でにぎやかだ。パ・リーグの場合、昨年の日本一を受け継ぎ、そのままブッチギリ優勝を果たした工藤公康監督のソフトバンクは安泰。しっかり2位につけた日本ハムも、栗山英樹監督の5年目の続投が決まった。
「日本ハムはこのところ長期政権が続いている。前任のトレイ・ヒルマン監督は5年、梨田昌孝監督も成績に関係なく4年続けた。栗山監督も同様。すでに次期監督には、球団のスポーツ・コミュニティー・オフィサーという役職を与えられている稲葉篤紀氏が内定しているとされています」(日本ハム担当記者)
反対に早くから監督の辞任が決まったのは、シーズン途中で休養したオリックスの森脇浩司監督と、自ら辞任表明を行なった楽天・大久保博元監督の2人だ。
楽天では、GM就任が予想される星野仙一氏が中心になって後任人事が着々と進められた。監督は梨田氏、投手コーチには与田剛氏が内定したが、この両者は星野氏の流れを汲む「NHK解説者」人脈だ。
「古くは川上哲治氏から続くNHK人脈は、球界で一定の力を持ち、今は星野氏が番頭格。名前のあるOBばかりで、ファンやマスコミのウケがいいのが特徴。余談ですが、星野氏が監督をする時に背番号を77にするのは、川上さんを尊敬していたから。それだけ繋がりが強固なのです」(スポーツジャーナリスト)
星野氏は着々と楽天での地盤固めを進めている。仁村徹二軍コーチの一軍ヘッドコーチへの昇格が予定されているが、仁村氏は中日OBで、星野氏と昵懇であるのは球界では有名な話だ。
オリックス・森脇監督の後任は、現・監督代行の福良淳一氏が昇格。一時は近鉄OBということで梨田氏の招聘で動いていたとされたが、いち早く星野氏にさらわれたため予定が狂った。
「そこで長期的視点に立ち、福良代行を昇格・続投させた。これは田口壮氏を将来の監督にするまでの繋ぎです。田口氏は宮内義彦オーナーの関西学院大の後輩にあたる。福良監督のもとで経験を積ませる案に落ち着いたようです」(オリックス担当記者)
※週刊ポスト2015年10月16・23日号