かつて「東方神起」として一緒に活動していたものの、グループが分裂、現在東方神起として活動するユンホ(29才)と、JYJとして活動するジェジュン(29才)。二人の道が分かれてから6年、ついに奇跡の共演を果たした。
韓国・ソウル市から南に100km。韓国軍総司令部の置かれる鶏龍市で、軍主催のイベント「地上軍フェスティバル」が開かれたのは、10月2日のことだった。例年100万人以上が訪れる一大イベントだが、今年の観客の熱気は過去にないものだった。7月に兵役に入隊したばかりのユンホが同イベントのMCに抜擢されたこと、3月に入隊していたジェジュンもまた同イベントに出演することが事前に報じられたからだ。
朝8時、メインステージ上に水色のスタッフジャンパーを着たユンホが現れると、押し寄せたファンから悲鳴に近い歓声が上がった。
「少し日焼けして、胸板も厚くなって、たくましくなっていました。軍隊の生活で鍛えられたのでしょう。リハーサル中は開幕式の台本を真剣に読み込んでいました。いつだって真摯で真面目なユンホ。軍隊に入っても変わってないんだなって、うれしくなりました」(会場にいたファン)
10時半に開幕式が始まり、厳粛なムードの中、イギリス、オーストラリアの陸軍のマーチングバンドが披露される。
「イベントのMCを務める二等兵チョン・ユンホです。今日この場にお越しくださったたくさんの観客の皆様に心から感謝を申し上げます! チュンソン!(忠誠)」
ユンホのこんな第一声が響きわたると、再び会場から黄色い声援が飛んだ。その後、中国武術の演舞が続き、時刻は11時過ぎ。
「さて、次は皆さんがとても待っていた舞台だと思います。ぼくもリハーサルを見ましたが、すばらしいものでした」
ユンホのこんなMCで、会場がざわつく。登場したのは、陸軍兵士が集まった音楽隊『忠誠クルー』。韓国の国民的民謡「アリラン」に合わせて、クルーたちがダンスを披露する。間奏を挟み、ユンホの隣の女性MCが叫ぶ。
「さぁ、拍手でお迎えください!!」
迷彩柄の長ズボンに黒のTシャツ、マイクを持って舞台袖から颯爽と登場した、瞳の大きなその男性──ジェジュンだった。
あいかわらずの人なつっこい笑顔で、ハイトーンが澄み渡るあの美声を響かせる。会場中から沸き起こる大絶叫。叫びながら泣いている女性たち。半狂乱で言葉にすらならないファンもいた。無理もない。ジェジュンが一生懸命歌う姿を、舞台上のユンホが目を細めて見つめているのだから。
「ジェジュンの歌に合わせて、ユンホが頭を揺らしてノッているんです…。まさか、こんな日が来るなんて…。6年です。本当に長かった。いろんな思いがこみ上げてきて、涙が止まりませんでした」(会場にいた別のファン)
スタンド席に沿ってぐるりと一周したジェジュン。
「皆さんありがとうございました!」
歌い終えたジェジュンはそう言って頭を下げると、一瞬、ユンホの顔をまっすぐに見つめ、舞台袖に消えた。10分間の「奇跡の共演」だった。「とても楽しい舞台でした! 皆さんも楽しかったでしょう!?」。興奮冷めやらぬ会場に、ユンホのうれしそうなMCが響きわたった。
この日、会場のファンはさらに衝撃の光景を目撃した。
「控え室のテントで、ユンホとジェジュンが仲よく話していたんです。ジェジュンはユンホの横にいた彼の父親にも挨拶していました。ユンホもまた、会場に来ていたジェジュンの姉に気さくに声をかけていて…。ふたりの心は離れていなかった。いや、ずっと繋がっていたんです」(前出・会場にいた別のファン)
ファンの間では今、この10月2日の歴史的な共演を「鶏龍の奇跡」と呼んで、記念日とする動きもある。
「10月2日という日にちに意味があるんです…。これはなにかの縁だとしか思えません」(東方神起ファン)
ジェジュン、ジュンス(28才)、ユチョン(29才)が、所属事務所を相手に専属契約無効を訴えたのは2009年7月のこと。奇しくも、5人での最後のライブは、同年10月2日だった。
※女性セブン2015年10月22・29日号