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日本の乳がん検診率は30%程度と低く最新機器の導入が遅れる

 元プロレスラーでタレントの北斗晶(48才)が乳がんであることを告白したことで、注目が集まっている乳がん検診。国の方針として、乳がん検診は「40才以上の女性を対象に、2年に1回」と推奨されており、多くの自治体は、40才以上の女性に2年に1回検診を行うよう通知を出している。

 通知を受け取ったら、市区町村の指定された病院や施設で検診を受け、その費用は(自治体によって異なるが)無料で実施しているところが目立つ。主な検査方法は視触診とマンモグラフィー(乳房エックス線検査)だ。

 しかし、2年に1度の検診で大丈夫なのだろうか? ピンクリボンブレストケアクリニック表参道の島田菜穂子院長が言う。

「基本的には30才を過ぎたら1年に1回くらい定期的に受けるといいと思います。特に初めての検診はマンモグラフィーと超音波(エコー)検査を併用したほうがいいでしょう。というのも、マンモグラフィーと超音波はそれぞれ、長所短所があるからです」

 乳がん検診には、医師が目で確認し乳房を触れて調べる「視触診」のほか、マンモグラフィーと超音波の2種類がある。島田院長が続ける。

「30代までは超音波、40代からはマンモといわれるのですが、それは若い人は乳腺が発達しているため、たとえしこりがあったとしても乳腺に隠れて映らないことがあるからです。でも乳房は個人差がありますし、1つの検査だけだと、いずれも約15%の人は見つからないといわれています。マンモはX線を使うので放射線被曝するという指摘や、海外ではマンモによって起きる不利益について述べた論文が話題になりましたが、適切な方法で行えば被曝に関しては1年に1回は問題はありません」

 乳がん検診は保険適用外だが、しこりがある、違和感があるなど自覚症状があって検査する場合は保険が適用されることも覚えておきたい。

 近年注目されている検査法に「3Dマンモグラフィー」がある。医師で医療ジャーナリストの森田豊さんが説明する。

「現在、広く用いられるマンモグラフィーは二次元で、乳房を挟んで上から1枚の画像に撮影していましたが、3Dマンモグラフィーでは一度の撮影で1mm毎に、乳房の断面図を何十枚も撮影します。検査費用は2万円程度。そんなに強く胸を押さえないので痛みも少ない。また、従来のマンモグラフィーだと乳腺組織に隠れてしこりが見落とされることがありましたが、その確率は格段に低くなる。すでに米国では1800台の機械が導入されています」

 画期的な検査法だが、日本で導入されている検診施設、病院は健康院クリニック(東京都)、新百合ヶ丘総合病院(神奈川県)など、全国で10か所程度。その理由に“検診率の低さ”があげられる。

「日本の乳がん検診率は30%程度です。欧米の70~80%から比べると圧倒的に低く、“がん検診の発展途上国”といっても過言ではありません。3Dの機械はとても高いしランニングコストもかかるので、検診率を高めるとともに、3Dの機械を広げていくというふうに両方の車輪を回していかないと広まらないでしょう」(森田さん)

※女性セブン2015年10月22・29日号

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