自治体に寄付をすることで、金額に応じて翌年の所得税と住民税の一部が減額される「ふるさと納税」。節税効果に加え、各自治体の特産品が格安で手に入ることからも人気となっている。では、実際にやってみるにはどのような手順を取ればよいのか。経済アナリストの森永卓郎氏が、お得なふるさと納税のやり方と、注意点について解説する。
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ふるさと納税は現在、手続きも簡単になっていて、インターネットの環境があれば、ほんの数分から数十分でできてしまいます。
具体的には、まず「ふるさとチョイス」などのふるさと納税専門サイトにアクセスする。それからお好みの特産品を提供している自治体のタグをクリックすれば、自治体のホームページに移動する。そこに寄付のやり方が載っていて、すぐに申し込むことが可能となります。
今ではふるさと納税を行なっている自治体の約半分が特典を設けているので、そこで特典を選び、寄付の金額を指定して申し込めばそれでOKです。その際、クレジットカード払いができる自治体はやはり便利なので、それで選別してもいいでしょう。クレジットカード払いなら、その場で手続きが簡単に済んでしまうし、ポイントも貯まります。
ただし、これほどおいしいふるさと納税ですが、留意点はあります。まず、ふるさと納税は年収や家族構成によって寄付できる上限額が決まっています。そのため、上限額を超えて寄付すると、この制度の魅力である節税メリットが薄れてしまうのです。前述の「ふるさとチョイス」などのサイトを活用すれば、自分の上限額が簡単にシミュレーションできるので、事前にそれを見極めてからやるのが得策です。
また、特典の特産品には人気の高いものや、フルーツなどのように季節によって出品されるものもあります。特に「お得」と思われるものは申し込みが殺到して、あっという間に品切れになってしまいます。すぐに品切れになりそうなものは申し込みの期日を調べてすぐに申し込むか、予約ができるものがあれば前もって予約しておくのもいいでしょう。
この制度の本来の趣旨は、自分の応援したい自治体を支援するためのものです。だが、現実問題としては、寄付金に対するもらえる特典の還元率で自治体を選ぶことも重要だと思います。もちろん、本来の趣旨である「応援」意識は忘れずに、ふるさと納税を賢く活用してはいかがでしょうか。
※マネーポスト2015年秋号