いよいよクライマックスシリーズ(CS)・ファーストステージが始まる。阪神タイガースは短期決戦に弱いといわれ続けてきた。2003年と2005年には日本シリーズで敗退。CSも導入初年度の2007年は中日に2連敗したのをはじめ、2008年、2010年、2013年と敗退していた。
これを払拭したのが昨年のCSだ。ファーストステージで広島、ファイナルステージでも巨人をストレートで下して日本シリーズに進出した。
「昨年のファーストステージでメッセンジャーと能見が広島を封じ込めた。ファイナルステージでも強力打線の巨人相手に藤浪や岩田ら投手陣が踏ん張った。4試合とも先発投手が5回以上を投げて3点以上取られず、打線も鳥谷、ゴメス、マートンのクリーンアップが効率よく得点した」(担当記者)
今年の阪神はタイムリー欠乏症で悩んだ。昨年の首位打者マートンが打率2割7分台、9本塁打にとどまり、昨年の打点王で長打力のあるゴメスも26本塁打から17本塁打と激減した。
一方の投手陣は14勝7敗のエース藤浪晋太郎をはじめ、メッセンジャー、岩田、能見と先発ローテーションは機能し、セットアッパーの福原忍、ストッパーの呉昇桓がしっかり仕事をしている。CSをどう戦えばいいか。元阪神コーチの片岡篤史氏が語る。
「最大の不安は今年の東京ドームで2勝11敗と大きく負け越していること。投手陣に不安はないが、問題は得点圏打率が低い野手陣でしょう。上本がいない内野も不安ですが、チーム一丸となって一枚岩で戦い抜くしかない。バント、進塁打、走塁とスモールベースボールを駆使し、キーマンは一発のあるゴメスとマートン。外国人コンビの奮起を期待しています」
※週刊ポスト2015年10月16・23日号