国際情報

韓国の差別助長には日本にも責任あり 反論するガッツが必要

「慰安婦」「竹島」に限らず、韓国では繰り返し反日的な動きが起きている。もちろん、政府が国民の不満の矛先をそらそうと政治的に「反日ムード」を作っている側面もあるが、彼らの根底には「韓国人のほうが優秀」「日本人はもともと劣等」なのに「日本人のほうがいい目にあっている」という意識がある。鄭大均・首都大学東京特任教授は、その差別的な意識を助長させた責任の一端は日本の側にもあると指摘する。

 * * *
 今後も韓国の反日は続くのか。好転する要素はあるのか。
 
 日本は民族的同質性が高い国であるが、アイヌ民族もいれば、琉球民族もいれば、在日韓国・朝鮮人もいる。けっこう多様なマイノリティが存在するため、それが排外主義をコントロールし、是正する役割を担っている。
 
 韓国にも日系韓国人のような存在があればよかった。しかし韓国には華僑のコミュニティが少しあるくらいで、マイノリティはほとんどいない。そのため排外主義をコントロールし是正する集団がいなかった。日本人に対する差別が野放しにされている大きな理由はそれであろう。
 
 それが今、韓国人は持ち前の上昇志向でどんどん海外に出ていって、国際結婚も増えている。韓国に来る外国人も増えているから、今後、韓国社会に若干のマイノリティ・コミュニティが形成される可能性はある。これまでマイノリティ集団の不在のために十分に管理されることのなかった排外主義は、長い目で見れば変化する可能性もあるのだと思う。

 韓国人の差別を助長させたのは日本人にも責任がある。

 日本人はあまりにも反論しないから、それが反日を誘引してしまったのだ。韓国で反日的な動きや発言があったら、日本は滔々と反論することが必要である。言われたことの2倍、3倍の分量で言い返したら、彼らも少しは日本人を見直すに違いないが、日本人の側にそのガッツがあるだろうか。

 今の韓国人は「日本人は内向きだ」と思っており、私もそれは間違っていないと思う。たとえば世界に出て、英語で説得力あるスピーチをして韓国に反論できる日本人がどれだけいるだろうか。日本が反論する力をつけることで、彼らの間違いを正していくことができるはずだ。

※SAPIO2015年11月号

関連キーワード

関連記事

トピックス

九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
“鉄ヲタ”で知られる藤井
《関西将棋会館が高槻市に移転》藤井聡太七冠、JR高槻駅“きた西口”の新愛称お披露目式典に登場 駅長帽姿でにっこり、にじみ出る“鉄道愛”
女性セブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
佐々木朗希のメジャーでの活躍は待ち遠しいが……(時事通信フォト)
【ロッテファンの怒りに球団が回答】佐々木朗希のポスティング発表翌日の“自動課金”物議を醸す「ファンクラブ継続更新締め切り」騒動にどう答えるか
NEWSポストセブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン
胴回りにコルセットを巻いて病院に到着した豊川悦司(2024年11月中旬)
《鎮痛剤も効かないほど…》豊川悦司、腰痛悪化で極秘手術 現在は家族のもとでリハビリ生活「愛娘との時間を充実させたい」父親としての思いも
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン