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内田樹が生き方・仕事など成熟について必要なことを教える書

【書籍紹介】『困難な成熟』内田樹 /夜間飛行/1728円+税

 介護サービスを民間に開放し、競争を促すことで質の向上をはかる目的で始まった介護保険制度だが、医療・介護ジャーナリストの著者は、悪徳業者がのさばっているという。

 サービス付き高齢者住宅では、指定の業者から介護を受けることが求められ、金目当ての不必要な介護も行われているという。また「シニアマンション」などと呼ばれる無認可施設も増え、そこでは虐待も多いようだ。要介護者や家族の弱みに付け込む悪徳業者の手口が網羅されており、被害に遭いにくくなる。

 哲学者の著者が人生相談に答えるスタイルで、人が成熟するために必要な課題を語っている。「責任を取ることは可能か」との問いに、著者は不可能と答える。どんな損害もなかったことにはできないので、最初から責任を取ることを求められない生き方をすべきとしている。

「成功するのは運か努力か」については、世の中には努力したくてもできない人がいるので、努力できるのも運がいいと考えるなど、目から鱗の指摘が連続する。本書を読むと自分の生き方を見直すことができる。

※女性セブン2015年10月29日号

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