17~20世紀中期のヨーロッパには、王族や企業の命を受けて新種の植物を探しに世界を探検する「プラントハンター」という職業があった。そして現代のプラントハンターの異名をとるのが、書籍『プラントハンター西畠清順 人の心に植物を植える』でもその活躍が語られている西畠清順氏(34)だ。
西畠氏は「株式会社 花宇(はなう)」の社長を務めるだけでなく、時には現地で自ら採取する。昨年は太鼓腹の巨木「パラボラッチョ」に惚れ込み、アルゼンチンのアンデス山脈裾野の森で現地の人々の協力を得て掘り上げ、日本に運んだ。その採取風景を紹介しよう。
巨木の「パラボラッチョ」のどれを日本へ運ぶか。まず根や枝の状態を見極めながら、船での輸送に耐えられる健康な「パラボラッチョ」を選ぶ。そして木の上部をクレーンで吊りながら、西畠氏がチェーンソーで主根を切断。日本での厳しい検疫にパスするためには、微量の土がついているだけで不合格。高圧洗浄で隅から隅まで徹底的に洗浄した後、根や枝の断面に防腐剤を塗った。その模様を写真でご覧あれ。
※週刊ポスト2015年10月16・23日号