イキる、とは調子に乗る、勢いづく、威張る、偉そうにするなどの意味。吉本新喜劇・座長の小籔千豊(こやぶ・かずとよ)は「イキる奴」が嫌いだという。小籔が世にはびこる「サプライズ重視」の風潮について語る。
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堀北真希さんが新幹線で劇的なプロポーズを受けて突然結婚して、まさにサプライズとか言われてます。一所懸命自分で考えてサプライズをやるのは、素敵な話だと思うんです。
ただ、他人や欧米の真似だったり、風潮に流されて「サプライズする男はすばらしい」「俺は嫁さんにしてやった」「された私は幸せ」「されない私は不幸せ」、みたいな基準が世の中にできてしまっているのが僕はちょっとイヤだなと思います。
付き合いはじめにバラ10本、1年後に高級バッグ、3年後で高級腕時計を蝶よ花よと贈るなんて、あげるほうももらうほうもそんなん4~5年で別れる気やないか、とツッコミたくなります。30年後は何持って行くねん、松の木100本ですか?
年収2兆円の人ならともかく、余裕がないのにサプライズばっかり考えてる男は計画性がないか、早めに別れる気でおるかのどっちかやと思いますね。
そんなアホなマラソンみたく最初からダッシュしたら後半にバテてしまう。20代、30代でサプライズにどんだけ頑張っても、40代、50代でなんもせんかったら、嫁はんから「釣った魚にエサやらん」とか言われるでしょう。その結果、60代で熟年離婚を切り出されたらどうします?
そもそもサプライズというのは予想外だから驚くわけで、「して当たり前で、しないのはマイナス」みたいな風潮もおかしい。
夫婦生活って、日々の小さな出来事へのお互いの感謝で成り立っていると思います。「あの人、若い時に高いカバン買うてくれた」とか「突然バラをプレゼントしてくれた」とかじゃないんです。それよりも死ぬ時に「結婚してよかった」とお互いに思えることだと僕は考えてます。それなのに他人と比較して物質的な欲望ばっかり期待してたら、幸せから遠のくんじゃないですか。