今年の秋ドラマには、くっきりとした傾向があるという。コラムニストのペリー荻野さんがこう話す。
「夏ドラマは夏休みの学生たちに向けて、若者の恋愛や学園ドラマが多くなりますが、秋は夜長にじっくり大人が見るドラマが増えます。
『オトナ女子』の篠原涼子さん、『偽装の夫婦』の天海祐希さん、『無痛』の西島秀俊さん、『下町ロケット』の阿部寛さんなど、今クールは日常をリアルに演じられる実力派アラフォー、アラフィフ俳優の主演ドラマが多い」
女性主演ドラマでペリーさんが特に注目するのは篠原主演の『オトナ女子』だ。
「10年ほど前は『29歳のクリスマス』(フジテレビ系)のようにアラサーが結婚や恋愛、これからの生き方に悩んでいました。しかし、そうした悩みを持つのは、今40代です。現代では40代で結婚、出産する女性たちが多くいますから、その点ではトレンドを追いかけるフジテレビらしいドラマといえます。
おそらく“いつまで女子でいるんだ”といわれるようなシチュエーションもあるでしょう。それを篠原涼子さんが“なんで、いくつになっても女子って言っちゃダメなんですか?”と爽快に切り返し、スカッとさせてほしいです」
男性主演ドラマでは、池井戸潤さん原作の『下町ロケット』に注目している。
「『半沢直樹』(TBS系)のように池井戸作品は地道に頑張ってきた人が最後には勝つという爽快さがあります。『下町ロケット』も小さな町工場で働いている人たちがロケットエンジン開発を夢見て、成功をつかんでいくといったサクセスストーリーです。きっと見ていて活力のわくドラマになるでしょう」
最後にペリーさんがいちばん“化けるドラマ”だと思っているのは、オダギリジョー主演の『おかしの家』だ。
「昔ながらの下町の駄菓子屋にちょっと変わった人たちが集まってくるという話です。演出が映画『舟を編む』の石井裕也監督なんです。石井監督は独特の間を作るのが面白く、エッジのきいたドラマになる可能性は大ですね」
※女性セブン2015年10月29日号