現在開催中のラグビーW杯で、エディー・ジョーンズHC(ヘッドコーチ)率いる日本代表が大健闘し、ファンの期待は早くも4年後に向いている。次は日本開催、今大会を経て大きな注目を集めるのは間違いないだろう。次の大会へ向けた今後の課題は何か。
「決定力が足りなかった。前述のようにセットプレーは確かに良かったので、我慢して相手の穴を見つけていく攻撃スタイルで今回はうまくいった。しかし、フィジカルの強い強豪国にはそればかりでは勝てない。トライで得点をあげるため、セットプレーから抜け出して一気にトライに持ち込む決定力を高めてほしい」(ラグビージャーナリスト・村上晃一氏)
4年後といえば日本代表を取り巻く環境も大きく変わる。課題は2つ。ポスト・エディー問題と、さらなる日本代表チームの強化をどうするかだ。
まず考えなくてはならないのは監督人事だ。すでにジョーンズHCは今大会限りでの日本代表監督の退任と、スーパーラグビー(※注)の南アフリカチーム「ストーマーズ」監督への就任が決まっている。ただ日本人の母と妻を持つジョーンズ氏は、日本代表のHC職に未練がある、との話もある。
【※注:ラグビー強豪国であるニュージーランド、オーストラリア、南アフリカの3か国から計15チームが出場し競う、クラブチームの国際リーグ】
「南アフリカチームとの契約は3年間とのことですが、本人は『2年で日本に戻ってくる可能性もある』と周囲に漏らしているようです。今回の結果で気をよくしており、W杯の公式サイトのインタビューでも『日本に戻ることは常に検討するだろう』と答えている」(スポーツ紙デスク)
ただやはり望み薄といわざるを得ない。そのため協会は次期代表監督の選考に入っており、後任候補には60人もの名前が挙がっているのだという。
「実際の有力候補は、フィジー代表のジョン・マッキー監督ですが、フィジーとの契約をW杯日本大会の2019年まで延長したとの情報もある。あとは国内事情に明るいということでパナソニックのロビー・ディーンズ監督や、サントリーのアンディ・フレンドHCの名前も挙がっている」(同前)
世界のトップリーグでの経験がある外国人監督を望む声がある一方、代表監督はやはり日本人で、という要望も根強い。
「次のHCは日本人でもいいと思う。ヤマハ発動機ジュビロの清宮克幸監督はいい。非常にクレバーなうえ、プレーヤーとしてはフル代表の経験がないからこそ、苦労を知っている。指導者としてヤマハを日本一に導くなど結果を出しているし、ここまでの日本人指導者はほかにいないのでは」(元日本代表・大八木淳史氏)
※週刊ポスト2015年10月30日号