女優の真木よう子(33才)が、元俳優の片山怜雄氏(33才)との離婚を発表した。結婚した当初、片山氏は芸能活動を休止し、小説家を目指していた頃で、「格差婚」と呼ばれることも多かった。実際、片山氏がいわば“主夫”として家事や子育てをしていたとのことで、バリバリ働く女優の妻と、“専業主夫”の夫という関係性がよくなかったがゆえに、離婚したのではないかとも言われている。
片山氏の例もそうだが、どうやら“主夫”は肩身が狭いもののようだ。主夫歴3年のA男さん(46才)は、主夫に対する世間の風当たりの強さを嘆く。
大手家電メーカーの研究職として仕事にやりがいを感じていたが、外資系金融会社に勤める妻が都銀へ転職するタイミングで転勤を打診され、悩んだ挙句に離職を決断した。
共働きではハウスキーパーやベビーシッター代もかかるし、外食やデリバリーなど食費もかさむ。そうした経費がカットでき、夫が家に入ることで仕事に集中できるならと妻も快諾したのだが、周囲の反応は誤算だった。実はA男さん、かつて育休を取ったことがあるのだが、その時とはまるで反応が違ったという。
「育休中は、“子育てに協力的な旦那さんはステキ”“男性が育児にかかわるのは当然よ”と好意的だったママ友が、いざ家に入ると、“何か会社でやらかしたのかしら”なんてヒソヒソ。実家の母に至っては、“ご近所の目があるから平日に来ないで”って。専業主夫って、テレビや新聞、ドラマにも取り上げられたけど、まだまだ異文化の話なんだとわかりました。夫婦の間ではノープロブレムなのに、世間が許してくれない…」
女子事情に詳しいコラムニストの西森路代さんも、今はまだ、専業主夫が社会的地位を確立する途上だと語る。
「今は過渡期なので、夫婦ですごく希望を持って参入しても、仲間も少なく、受け入れてくれる人も少ない。そうした外圧にくじけ、夫婦の間でもくじけてしまうのでは。“男女がこうあるべき”という固定観念を世間やお互いの中でふりほどいていく作業は、大変な苦労だと思いますよ」
男女平等を叫び、イクメンをもてはやす風潮も確かにあるが、現状は単純ではない。子供のクラスに専業主夫がいるという45才の主婦も、困り顔で本音をこう吐露する。「男の人が昼間からフラフラしていると話しかけにくいんですよね」。
※女性セブン2015年11月5日号