今年で70年の節目を迎えた超国民的番組『NHKのど自慢』。今年はSMAPが出演するなど何かと注目を集めている。これまで『NHKのど自慢』からは、北島三郎やクマムシの長谷川俊輔など数多くの芸能人が出た。素人時代に出場した歌手、タレントなどの声から、この番組が愛され続ける理由を探った。
いま、のど自慢出身でもっとも新しいスターが演歌歌手の徳永ゆうき(20才)だ。平成23年、高校2年で出場しチャンピオンに。翌年にはグランドチャンピオンを受賞し、スカウトされて、卒業後に歌手デビュー。
「驚いたのは出場者同士の団結力。予選会が初対面で本来はライバル、年齢層もバラバラなのに、すぐに打ち解けてお互いを応援する雰囲気になる。みんな歌が好きだからでしょうね。『のど自慢』の影響力はすごい。チャンピオン受賞の翌日、梅田の街でめっちゃ声かけられました」(徳永)
平成13年、アルゼンチン大会で優勝し、その後グランドチャンピオンとなった大城バネサも、その歌唱力からスカウトの声がかかり、日本に移住。プロの道へと進んだ。
「ゲスト出演する坂本冬美さんに、どうしても会いたくて応募しました。当時は歌手になるなんて夢だと思っていましたが、生バンドをバックに、何千人もの前で歌ったとき、最高に気持ちよかった! あのワクワク感で、本気で歌手になりたいと思ったんです」(大城)
昭和56年富山県、57年石川県の大会に出場。現在、会社員の傍ら演歌歌手として活動するのは三輪一雄。
「1度目は妻と。翌年は単身出場し2回とも鐘2つ。でもあの時の思いが、歌で地元を元気にしたいという今の活動につながっています」(三輪)
人々に歌で何かを伝えたいという気持ちがある限り、この番組はこれからも続いていくだろう。
※女性セブン2015年11月5日号