ライフ

がん死亡率11年連続1位の青森 飲酒・喫煙率の高さも要因か

 国立がん研究センター(東京都)が9月に公表した「都道府県別がん死亡率(2014年)」が波紋を広げている。青森県が2004年から11年連続でワースト1位を維持する結果となったためだ。

 1995年から始まったがん研の調査は、厚労省の人口動態統計(75歳未満)をベースに、年齢分布の偏りを調整(※高齢者の多い県は必然的に死亡率が高くなるため)し、「人口10万人あたり何人ががんで死亡したか」を都道府県ごとに比較したものだ。

 11年連続で1位となった青森県の死亡率は、男女計で98.0人と47都道府県で最悪。全国平均79.0人を大きく上回り、最も低い長野とは29.7人もの開きがあった。

「この結果を重く受け止め、県庁全体で対策に取り組んでいる最中です。要因としては、県民の喫煙率と飲酒率の高さが挙げられています。喫煙率は厚労省の国民生活基礎調査(2013年)で男性が全国1位、女性は同2位。飲酒率も同省の国民健康・栄養調査(2010年)で1日1合以上を週3日以上飲む男性が51.6%と、全国平均の35.9%よりかなり高い」(県がん・生活習慣病対策課)

 青森県の部位別のがん死亡率を見ると、「胆のう・胆道」「膵臓」「大腸」が全国ワースト。「肺・気管(支)」はワースト2位だった。

「日本人の3人に1人ががんで死ぬ」と言われて久しいが、2007年に施行された「がん対策基本法」などの対策がとられる中で、近年、がんによる死亡率は減少傾向にある。青森県の死亡率も下がっているが、その減少率は全国平均より鈍く、さらに「がんで亡くなる人のうち40~50代の働き盛りの男性が増えている」(前出・対策課)という大きな課題も抱えている。弘前大学医学部付属病院の松坂方士・准教授が指摘する。

「発症率は全国平均とほぼ変わらないのに、死亡率が高いのが青森の特徴です。受診時に転移がなく治癒が期待できる『早期発見』は全国平均43.6%に対し、県内は34.0%。症状が進行してから受診する県民が多いことを示しています。受診機会を早めなくてはいけません」

※週刊ポスト2015年11月6日号

関連記事

トピックス

維新はどう対応するのか(左から藤田文武・日本維新の会共同代表、吉村洋文・大阪府知事/時事通信フォト)
《政治責任の行方は》維新の遠藤敬・首相補佐官に秘書給与800万円還流疑惑 遠藤事務所は「適正に対応している」とするも維新は「自発的でないなら問題と言える」の見解
週刊ポスト
優勝パレードでは終始寄り添っていた真美子夫人と大谷翔平選手(キルステン・ワトソンさんのInstagramより)
《大谷翔平がWBC出場表明》真美子さん、佐々木朗希の妻にアドバイスか「東京ラウンドのタイミングで顔出ししてみたら?」 日本での“奥様会デビュー”計画
女性セブン
パーキンソン病であることを公表した美川憲一
《美川憲一が車イスから自ら降り立ち…》12月の復帰ステージは完売、「洞不全症候群」「パーキンソン病」で活動休止中も復帰コンサートに懸ける“特別な想い”【ファンは復帰を待望】 
NEWSポストセブン
遠藤敬・維新国対委員長に公金還流疑惑(時事通信フォト)
《自維連立のキーマンに重大疑惑》維新国対委員長の遠藤敬・首相補佐官に秘書給与800万円還流疑惑 元秘書の証言「振り込まれた給料の中から寄付する形だった」「いま考えるとどこかおかしい」
週刊ポスト
「交際関係とコーチ契約を解消する」と発表した都玲華(Getty Images)
女子ゴルフ・都玲華、30歳差コーチとの“禁断愛”に両親は複雑な思いか “さくらパパ”横峯良郎氏は「痛いほどわかる」「娘がこんなことになったらと考えると…」
週刊ポスト
話題を呼んだ「金ピカ辰己」(時事通信フォト)
《オファーが来ない…楽天・辰己涼介の厳しいFA戦線》他球団が二の足を踏む「球場外の立ち振る舞い」「海外志向」 YouTuber妻は献身サポート
NEWSポストセブン
高市早苗首相の「台湾有事」発言以降、日中関係の悪化が止まらない(時事通信フォト)
《高市首相の”台湾有事発言”で続く緊張》中国なしでも日本はやっていける? 元家電メーカー技術者「中国製なしなんて無理」「そもそも日本人が日本製を追いつめた」
NEWSポストセブン
海外セレブも愛用するアスレジャースタイル(ケンダル・ジェンナーのInstagramより)
「誰もが持っているものだから恥ずかしいとか思いません」日本の学生にも普及する“カタチが丸わかり”なアスレジャー オフィスでは? マナー講師が注意喚起「職種やTPOに合わせて」
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「旧統一教会から返金され30歳から毎月13万円を受け取り」「SNSの『お金配ります』投稿に応募…」山上徹也被告の“経済状況のリアル”【安倍元首相・銃撃事件公判】
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《バリ島でへそ出しトップスで若者と密着》お騒がせ金髪美女インフルエンサー(26)が現地警察に拘束されていた【海外メディアが一斉に報じる】
NEWSポストセブン
大谷が語った「遠征に行きたくない」の真意とは
《真美子さんとのリラックス空間》大谷翔平が「遠征に行きたくない」と語る“自宅の心地よさ”…外食はほとんどせず、自宅で節目に味わっていた「和の味覚」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 維新の首相補佐官に「秘書給与ピンハネ」疑惑ほか
「週刊ポスト」本日発売! 維新の首相補佐官に「秘書給与ピンハネ」疑惑ほか
NEWSポストセブン