芸能

オトナ女子 苦戦の理由は胸キュン求めた視聴者とのギャップ

篠原涼子が主演した『オトナ女子』は苦戦中

 篠原涼子(42)主演、『オトナ女子』(フジテレビ系)が苦戦している。第1話の視聴率は9.9%、第2話は9.2%、第3話は7.2%と右肩下がり。篠原の主演ドラマが10%を割るというのは、異常事態。フジテレビの亀山千広社長(59)も定例会見で、「涼子ちゃんがあまりに美しすぎるので、イタくないんですよね」と述べるなど、局側のショックも予想以上に大きかったものと思われる。「篠原を出せばヒット間違いなし!」のはずが、なぜ『オトナ女子』は苦戦しているのか。

 ドラマ評論家の成馬零一さんはこう解説する。

「今のドラマは10%なら御の字なので、これまでの視聴率と単純に比較はできません。ただ、思うように伸びていないのは確かです。2年前にスマッシュヒットした篠原さん主演の『ラスト・シンデレラ』と、スタッフの顔ぶれも、木曜10時という時間帯も同じ。そのうえ恋愛モノとなれば、あのドラマの再来を期待していた視聴者は多かったと思います。でも『ラスト・シンデレラ』がアラフォー女性に夢を与えていたのに対し、『オトナ女子』は現実を突きつけている。身につまされる話が多く、逃げ場がないのです」

 篠原演じる主人公・中原亜紀は、恋愛アプリを開発する会社でバリバリ働く40才の独身女性という設定だ。劇中では、江口洋介(47)演じる脚本家の高山文夫が、40才前後の女性を「アラフォー女子」と呼ぶことをチクリと批判したり、若い女性社員が陰で亜紀の年齢をからかったりするシーンがある。胸キュンを求めていた視聴者は、現実に引き戻されて“イタい”思いをしてしまったのかもしれない。

 脚本に問題はなかったのだろうか。今回の脚本は、『梅ちゃん先生』(NHK)や『結婚できない男』(関西テレビ)などを手がけた尾崎将也氏が担当している。

「男性の孤独や愚痴話を描いてきた尾崎さんらしい批評性のある作風で、私は『オトナ女子』も面白いと思って観ています。ただ、アラフォー女性へのツッコミが、純粋な恋愛モノを観たかった人には受け入れられていないのかもしれません。

 それよりも目にとまるのは、作り手の『これでいいのかな』という迷いです。昨今、低迷するドラマの現状認識が、作品の中にもモロに出ていて、自分たちのやろうとしていることに対して自信を持てていないように映ります。斎藤工の上半身裸のシーンが思ったほど女性ウケしなかったのも、狙いがあからさまで飽きられパターンに陥っているからではないかと思います」(成馬さん)

 しかし、数々の主演ドラマでヒットを飛ばし、視聴率女王とも呼ばれる篠原だ。多少の逆境なら乗り越えられそうなところだが…。人気に陰りが見え始めているのだろうか?

「スター性のある篠原さんは、“女版・木村拓哉”のようなところがあります。求められているのは、セクシーさとヒーロー性。そのため超人的なキャラか、軽いノリのキャラを演じる機会が多かったのですが、『オトナ女子』の主人公はどちらにも寄っていません。永作博美さんや深津絵里さんのように、重いテーマの作品にも出演してきた女優さんなら違和感がなかったかもしれませんが、篠原さんは悩む人の役でのヒット作がないので、気楽に観たかった人にとっては少々きついドラマかもしれません。ただ、今回の役どころが良くないというわけではなく、毒のきいたこの作品で篠原さんが新境地を見せてくれる可能性は充分にあります」

 篠原だって年を取る。40代の篠原は夢を見せるか、現実を見せるか。

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