世間では未婚者が増え続けている。生涯未婚率は、男性20.14%、女性10.61%と年々増加。35才を過ぎて結婚できる可能性は、わずか数%とかなり難しい。
関西地方に住む主婦A子さん(64才)の長女は、今年40才。5月にお見合いをした相手と婚約中で、年内に入籍をする予定だ。長女は東京の大学を卒業後、そのまま都内の会社に就職したが、30才のころに実家に出戻りした。
「どうやら社内恋愛をしていて、その彼にフラれてしまったそうです。そのショックで会社も辞めて行くあてがなくなり、戻ってきました」(A子さん、以下「」内同)
長女はそれ以降、家事手伝いをして過ごしてきた。
「なかなか男性と知り合う機会がなかったのは確かだと思います。娘自身は結婚しないとかそういうポリシーがあったわけじゃないですよ。実際、合コンに行ったり、友達の紹介で男性とも何人も会ったりしていましたから。でも恋人と呼べる相手はできていなかったと思います」
口を出さずに見守ってきたA子さんだが、長女が35才を過ぎたころ、一大決心をした。
「親も婚活を始めました。最初は親戚などに声をかけ、いいお相手を探してもらうという当たり前のお見合い相手探しです。
実家を長女に譲りたいという気持ちもあり、婿入りの条件をのんでくれるような近場の相手を探しました」
だが、なかなか相手は見つからなかった。それから、条件をどんどん下げていった。
「婿入りはしなくていい、次にはもうお嫁に行ければ県外でも…、39才のときは、塾講師の主人の全国の教え子たちに電話で連絡を入れ、娘の見合い相手を探しました」
その教え子の1人に山梨県で大手企業に勤めている同じ年の男性がいた。あちらも女性と知り合う時期を逃していたということだった。
「お見合いの話をもらい、私達夫婦と娘はすぐに現地へ行き、あちらのご家族や本人とレストランで会食しました。私と主人は、本人たちの意見を聞く前に『とにかく前向きにすすめてほしい』と向こうの両親に言い残して帰宅しました」
幸い、本人同士も気に入っていたため、とんとん拍子で話は進んだ。前述したように婚約中で年内に晴れて籍を入れる予定だ。
「なかなか恋愛から先にすすめないような子だったから、やはり親が結婚にむけて動くしかありませんでした。その時期が遅ければ遅いほど、条件的に厳しくなっていくのは仕方ない。そこを家族で話しあって妥協点をつくるしかないです。
うちの場合だと、実家のある関西方面で暮らしたいと最後まで譲らなかった長女を説得して、山梨県までお見合いに連れて行きました。このまま幸せな夫婦になってくれたらいいなと思っています」
※女性セブン2015年11月12日号