フジテレビの視聴率低迷は、いよいよ社員の給料にまで影響する水準に達している。社内では今年の冬のボーナスは「3割カット」との噂も出始めた。“裏の給料”ともいえる経費面にも影響が出ている。涙ぐましい経費節減策が断行されており、真っ先に削られたのはタクシー代だ。
「以前は乗り放題でしたが、今では深夜や早朝の時間帯のみで、しかも相乗りが推奨されています。勤務上必要な場合は、理由をきっちりと伝票に書かなければ許可が下りません。
女子アナといえど電車の動いている時間帯であれば、普通のOLと一緒でゆりかもめ、りんかい線に乗って帰っています。人気の女子アナはタクシーを使う時もありますが、この時もたいていが自腹。女子アナ同士、割り勘で乗ることもあるようです」(フジテレビ関係者)
備品の管理にも状況の厳しさがにじみ出ている。社内にはモノクロコピーや両面印刷を推奨する張り紙が出されている(写真参照)。
「大きく『めざせ!3割減』と書かれています。以前までは『他社と同様、経費節減に取り組んでいることをアピールするのが目的』といわれ、そこまで逼迫していなかったが、今となっては切実な努力目標となっています」(バラエティー番組プロデューサー)
こうした全社的な節約ムードは、現場の制作費にも影響を及ぼし始めた。フジテレビ関係者がいう。
「営業利益が2期連続で減少したこともあり、制作費を数十億円規模でカットするという話が出ています。リーマン・ショック以来の大幅削減の噂に現場は阿鼻叫喚です」
すでに制作費抑制の流れが番組作りにマイナスに働いているという声が、現場から上がっている。
「『とくダネ!』の番組内でラグビーW杯のニュースを流した際、静止画しか流れなかった。映像は日テレが持っていて、VTRを流す際は映像使用料として30秒で13万円を支払うことになっていた。でも“そんなに経費をかけられない”との理由で、1枚8000円ほどの写真で間に合わせたんです。
これに司会の小倉智昭さんが『なんで映像流れないの?』と番組内で怒りをあらわにしていました。そういうこともあってか、小倉さんが“最近の『特ダネ!』は面白くない”とこぼしたこともあるそうです」
※週刊ポスト2015年11月13日号