今年歌手デビュー35周年を迎えた松田聖子(53才)が、10月28日、新曲『永遠のもっと果てまで』をリリースした。作詞は松本隆(66才)、作曲は松任谷由実(61才)が担当。3人がタッグを組むのは31年ぶりのことだった。
10月30日に放送された『SONGSスペシャル 時を超える青春の歌 ~作詞家・松本隆の45年~』(NHK)では、聖子を前にふたりがこう感想を語り合った。
松任谷「すごくいい意味で聖子版『MY WAY』」
松本「そうそう。ぼくもそれを思った」
松任谷「聖子さんが“風雪を越えて、帆をあげて旅立とう”って歌詞を、昔だったら歌えなかったかもしれないんだけど、そこに時間がすごくこもってる。それが伝わってきて…」
すると、それを聞いていた聖子は泣き崩れるようにして、手で顔を覆った。突然の聖子の涙──それは、聖子とユーミンの31年の確執の清算を意味していた。
ユーミンが聖子に初めて曲を書いたのは、1982年1月に発表した『赤いスイートピー』だった。当時、ユーミンはニューミュージックのトップランナー、一方の聖子は『青い珊瑚礁』や『白いパラソル』でトップアイドルとしての地位を確立しつつあった。
「当初、ユーミンは聖子さんに曲を提供することを頑なに断ったそうです。お互いトップを争うライバルですし、ユーミンからすれば、アイドル歌手の聖子さんとは違って、“本気で音楽について勉強してきた”という自負もあったんでしょう」(音楽関係者)
しかし、作詞を担当する松本の「ライバルの曲を作ってみない?」という言葉でユーミンは曲を提供することを決める。本名ではなく、ペンネーム『呉田軽穂』で提供した曲は、当時の聖子にとって難易度の高いものだった。
そして1984年5月にリリースした『時間の国のアリス』を最後に、ふたりは袂を分かつことになった。