交流戦や日本シリーズで圧倒的な強さを見せ、実力のパ・リーグは健在と知らしめたものの、やはりBクラスに終わったチームのファンは淋しい思いをしている。かつての常勝軍団、埼玉西武ライオンズのファンは複雑な心境だ。秋山翔吾が216本のシーズン最多安打記録の更新を果たし、おかわり君こと中村剛也が6回目の本塁打王(37本)。それなりに沸いたシーズンではあった。
「でもCSに行けなかった。投手力がなかったからですね。ドラフトではきっと良い投手を獲りに行くと思っていた」(30代男性)
期待通り、ドラフトでは8人の投手を獲ったが、
「競合を避けたのか、かなりの独自路線を貫き、1位の多和田真三郎以下はファンでも正直“誰だっけ”という選手ばかり。ちょっと複雑です」(40代男性)
昨シーズンは優勝争いをしていたオリックス・バファローズは、最大の期待外れチームといっていいだろう。ファンの落胆ぶりも顕著だ。
「とにかくケガ人が多く、呪われているかのように弱かった。5月で自力Vが消えた時は怒りを通り越して笑った」(20代男性)
「中島裕之が想像以上に使えなかった(.240、10本塁打、46打点)。でもこれがチームではマシな方という惨状だった」(40代男性)
元オリックス監督の岡田彰布氏はこう語る。
「ソフトバンクを一気に抜き去ろうとして大補強した。しかし補強とは弱いところを補って強くすることであって、今のようにポジションがダブるのは補強とはいわん。それがすべての敗因やろうね」
オリックスファン以上に、やり場のない気持ちを抱えているのは東北楽天ゴールデンイーグルスのファンだろう。
「シーズン途中で田代富雄コーチが辞めちゃうし、チームはバラバラ。途中から諦めていた。ただあの戦力で序盤の頑張りは見事だった。オーナーの横やりなく、デーブ(大久保)監督に采配させたらどうなっていたかな、と思っています」(20代男性)
三木谷浩史オーナーの現場介入が暴露され、グラウンド外のほうで話題を振りまいてしまったシーズン。デーブ監督の功績といえば、松井裕樹を抑えに起用して成功したことくらいか。
※週刊ポスト2015年11月13日号