『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)などで活躍するファッションプロデューサーの植松晃士氏が大人の秋冬ファッションについて語る。年齢に応じたファッションをするのが重要なのだという。
* * *
皆さま、ご機嫌よう。カレンダーは11月に突入。 いよいよ本格的な冬の到来です。そこで今回は、この秋冬のファッションで“本当に買うべきもの”についてのお話をしたいと思います。
日本女性の全体的な傾向としては、春夏に引き続き、カジュアル色が強いトレンドになっています。とはいえ、大人世代が若いかたがたと同じような服装をすることに、大きなメリットはありません。
私は常々、「大人は若い人たちと同じ土俵にはのらないこと」とお話ししています。「カジュアルスタイルを若いお嬢さんと競って、勝てる公算をお持ちですか?」と。
答えは言うまでもなく、「NO!」ですよね。本人の“お気持ち”はともかく、スタイル、肌の色艶…、客観的に見たら若いお嬢さまがたに勝てる要素はまずありません。
ファッション誌などは相変わらずカジュアル推しだし、「エフォートレス(肩の力の抜けた)スタイル」などを推奨しておりますが、正直申し上げてマダムがカジュアルを目指しても、サマになるかたはほとんどいらっしゃらないのが現実です。
そんな危ない橋を渡るよりも、マダム服を大事にしたほうがずっといい。大人は大人らしく、上品なマダム服を着こなすのが自然だし、賢い選択というものです。この秋冬の大人のテーマはズバリ、「ギンザ、ギンザ、ギンザ!」。
具体的には、たとえばボウブラウスや上下お揃いのセットアップ。アンサンブルやスーツなど、いわゆるきちんと感のある服が中心です。あるいは、女優風なクラシックスタイルを目指すのもいいでしょう。
セレクトに迷ったら、どちらがエレガントか、きちんと見えるかを基準に選べばよいのですから、簡単でしょ?
レディーな服を着るメリットは、第一に体形をカバーしてくれること。次に、きちんと装うことで、少々ファッションに対して消極的になっていた怠け心まで包み隠してくれること。つまり、身も心も、たるんだ部分を覆い隠してくれるんです。
着こなしとしては、インナーが“イン”になったことが大きな変化でしょうか。インナーをボトムスにしまうと、お腹問題とお尻問題が勃発しますが、秋冬シーズンの場合、羽織りもので簡単に解決できますからご安心を。
※女性セブン2015年11月19日号