10月下旬にユーチューブで公開された中国の「第13次経済5か年計画」(2016~20年)の動画が話題を呼んでいる。これは、同計画を軽快な英語の音楽とアニメで紹介したものだ。
発表されてからわずか5時間で500万ビューを突破する超人気ぶりで、米ニューヨーク・タイムズや英BBC放送、英フィナンシャル・タイムズ、フランス通信(AFP)など世界の代表的なメディアもニュースとして取り上げている。
しかも、米国を拠点にする中国情報専門の華字ニュースサイト「博聞新聞網」は独自情報として、この動画の主要な制作スタッフとして習近平国家主席の一人娘の習明沢さんが関わっていることを明らかにした。
動画は、ロックスター風の4人のキャラクターが米国のカントリー風の音楽にのせて、第13次5か年計画を意味する「十三・五」の中国語読み「シーサンウー」を連呼し、「シーサンウーとはどういう意味」「シーサンウーはどんな内容」「シーサンウーはどれくらい大きいの」などなどと、わずか3分で「シーサンウー」を28回も繰り返して歌うなど、軽めで、分かりやすい内容となっている。
これについて、中国新聞網は「13次5か年計画を分かりやすく軽快に紹介、堅苦しい政治の宣伝方式を一新し、国内外のネットユーザーから注目を集めている」と紹介。
また、英デイリー・テレグラフは「この動画は軽快かつ活き活きと第13次五か年計画を讃えている。動画の内容は非常に友好的で、ユーモアに富む内容も含まれる。このような手段は、若者たちに浸透しやすい」と評しているほどだ。
ところで、この動画を制作したのは中国のメディアスタジオ「復興路上スタジオ」だが、同社について、「人民ネット」が解説。「これまでにも『指導者はどうやって鍛えられるの?』というショートアニメを製作しており、中国の指導者のイメージをアニメキャラで表現、かわいらしい指導者のイメージを打ち立てている」と説明している。
「博聞網(ネット)」によると、シーサンウーの動画はハーバード大を卒業した習主席の娘である習明沢さんが主要スタッフとして担当しており、得意の英語を生かして、軽快な音楽やアニメ作品と仕上げたという。明沢さんの母親はかつて「中国の歌姫」と呼ばれ、絶大な人気を誇った彭麗援さんだが、「今回の動画製作で、明沢さんは母親譲りの音楽センスを生かした」と同ネットは報じている。