番組スタートから5週連続の視聴率20%超え、絶好調のNHK連続テレビ小説『あさが来た』。
柄本佑が演じるのは、宮崎あおい演じるはつの夫・眉山惣兵衛。いいとこのぼんぼんで、無愛想でマザコンで、体温が感じられない見た目のため「白蛇」というあだ名を付けられてしまう変人だ。そんな役どころにもかかわらず、放送を重ねるごとに惣兵衛ファンが増えている。
その理由は、とらえどころのない惣兵衛を表現する、卓越した柄本の演技力にある。
「あのニタリという冷たい笑いをキモいと思っていたけれど、井戸の中ではつを抱きしめるシーンを見て、すっかり惣兵衛推しになりました」(64才主婦)
「陰湿キャラだったのに、ふとしたときに優しさが垣間見えて、目が離せません」(43才・パート)といった具合で、高視聴率の立役者となっている。
柄本は演劇一家で育ってきた。父は俳優の柄本明(67才)、母は女優の角替和枝(61才)で、弟は俳優の柄本時生(26才)。小学生のときは、学校が終わると家ではなく、演劇の聖地・本多劇場(東京・下北沢)に“帰宅”するほどだった。中学生になるとオーディションを受けて主役を射止め、2003年に映画『美しい夏キリシマ』で本格的に俳優デビュー。その後、ドラマ『ゲゲゲの女房』(NHK)、『医龍』(フジテレビ系)、『天皇の料理番』(TBS系)、映画『横道世之介』『武士の献立』などで、幅広い役を演じてきた。
2012年に結婚した相手は、女優の安藤サクラ(29才)。俳優の奥田瑛二(65才)とエッセイストの安藤和津(67才)夫妻の次女と夫婦となったことで、ますます演技の世界にはまり込んだ。
「奥田監督作品の映画『今日子と修一の場合』では柄本とサクラの夫婦共演が話題になりましたが、奥田はまず柄本の主演を決め、それからサクラをキャスティングしたそうです。奥田は俳優としての柄本をかなり信頼していて、“自分の最大の理解者だ”と言っていましたよ」(映画関係者)
将来有望な柄本が『あさが来た』で演じる惣兵衛は、妻を守るため、萬田久子演じる母を殺そうとする狂気も見せた。
「現場では萬田さんと親しくしていますよ。プロ意識の高い宮崎さんのこともベタ褒めです。宮崎さんと2人のシーンの撮影はたいてい一発OKで、周りは圧倒されっぱなしです」(ドラマ関係者)
ただ、物語での惣兵衛は現在、行方不明中。妻のはつもそれから視聴者も、一刻も早い帰還を望んでいる。
※女性セブン2015年11月17日号