11月7日公開の映画『起終点駅 ターミナル』で、家族や恋人を失ったヒロイン・椎名敦子役を熱演した本田翼(23才)。
同作は、直木賞作家・桜木紫乃の同名小説(小学館刊)が原作。弁護士・完治(佐藤浩市)と敦子(本田)はひょんなことから食卓を囲むようになり、孤独だった互いの人生が少しずつ動き始める。人生の“終着駅”は“始発駅”にもなる再生の物語だ。
「最初に(佐藤)浩市さんとふたり芝居と聞いた時は、プレッシャーはゼロではなかったですけど、率直にうれしかったです。この年齢でお話をいただけるなんて…断る理由ないですよ!」(本田・以下「」内同)
これまで元気で明るい役柄が多かった彼女にとって、『起終点駅 ターミナル』での孤独な敦子役は“新境地”。撮影前から監督や佐藤のアドバイスを受けながら、難役をものにしていく姿に、現場の誰もが胸を打たれたという。
「この作品は、自分や他人を“赦(ゆる)す”物語といえるかもしれません。赦すって、心が強くないとできないこと。敦子は(佐藤演じる)完治さんにそれを気づかされましたね。でも、赦すことと自分に甘いことは違うかな…。失敗したと思ったら“まいっか”じゃなくて、深く考えて、次につなげていけそうなら自分を赦してあげられる気がします」
屈託のない笑顔の裏にまじめな素顔をのぞかせる。
「普段心がけているのは、お母さんが怒るようなことはしないでおこう、です(笑い)。私がだらしないとお母さんがだらしないと思われちゃうので!(笑い)」
撮影■藤本和典
※女性セブン2015年11月17日号