日本全国にはあまたのソープ街が存在するが、中でも屈指の歴史と規模を誇るのが東京・吉原だ。吉原には無料の送迎サービスを行なう店が多い。某店の送迎ドライバー(67)に話を聞いた。
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吉原の大衆店に勤めて5年になります。会社を定年退職してフラフラしている時に、吉原でソープ店を経営する友人に声をかけられて始めました。
最寄りのJR日暮里駅か地下鉄三ノ輪駅までお客さんを車で送迎するのが私の仕事。予約時間の20分くらい前に駅に着いたお客さんから店に電話してもらい、車種とナンバーを伝えて送迎車に乗り込んでもらう流れです。
他の店ではドライバーが車から降りて出迎えるところもありますが、目立つのを嫌がるお客さんもいるのでやっていません。クラウンのような高級車やワンボックスカーを送迎車にしている店もありますが、うちはエコカーです(笑い)。
店からは「客と話すな」と言われていますが、話し好きそうなお客さんだったら会話しますよ。ただ、店の女の子に関する話題は一切しません。
よく『おすすめの女の子は?』なんて聞かれますが、『わかりません』としか答えない。『〇〇ちゃんを指名したんだけど、どんな子?』と聞かれれば、『いい子ですよ』と答えるだけです。帰りも同じ駅まで送り届けるのですが、出すものを出したからか(笑い)、帰りのほうが皆さんリラックスしてますね。
お客さんは初めての方が1割で、残りはリピーターさんです。私と同世代の方もたくさん来ますし、自転車でやって来る80代のおじいちゃんもいます。その人は来店するたびに『勃たねぇけどよ』なんてボヤいています(笑い)。
店には約50人の女の子が在籍していて、年は20歳から30代半ばまで。40歳以上の熟女はいませんね。仕事を掛け持ちしている子も多く、塾講師や保育士、OL、エステティシャンもいますよ。人気ナンバーワンは年収3000万円くらい稼ぐかな。たまに女の子を駅まで送ることもありますが、彼女たちとも話さないのがドライバーの基本ルール。もちろん、スタッフと女の子の恋愛は御法度です。
時給1000円で週6日働いて月収10万円ちょっと。年金の足しにしています。妻は仕事を知っていますが、独立した息子には「上野で友人の会社を手伝っている」と言っています。
※週刊ポスト2015年11月20日号