「離婚は結婚の100倍のパワーが必要!」とよく言われるが、実際に離婚経験者に話を聞くと、離婚以上に離婚後の生活の方が大変だったと口を揃える。特に女性にとっての離婚後の生活はかなり過酷だ。
「離婚後の女性と子供を取り巻く環境は過酷です。離婚当初は、張り切る人が多いですが、実際は何とかならないケースが多い」と断言するのは、多くの離婚家庭を取材してきた作家の丸井妙子さん。
経済的に苦しい、子供が手に負えないなど生活への不安から、セックスができず欲求不満、さびしさや不安がつのるといった精神的な悩みまで、問題が山ほど襲いかかるのだ。
離婚理由には、家事や育児に協力してもらえない、帰りが遅くてさびしいなど、発端はささやかなケースも多いが、こういった理由なら、長い結婚生活で話し合いを重ね、妻が夫を、自分の望む方向に変えることは可能だという。
「愛し合って結婚した夫婦なら、不満があっても、我慢する価値があります。とくに、仲むつまじい幸せな時期があった人は別れないほうがいい。私の経験上、こういう夫婦は根気よく話し合いを重ねると、夫が意見を聞いてくれるようになります」(丸井さん)
けんかはお互いをわかりあおうという行為なので、むしろたくさんするべきだという。
「離婚が頭をよぎったらまず、自分が想像できる最悪の生活を思い描いてください。それにも耐えられると思ったら、自分がいくら稼げるか、マネープランを綿密に立てること。さらに、離婚前から手に職をつけるなど、準備が必要。衝動的にならず、たくさんの情報を集めて」(丸井さん)
離婚後の過酷な生活と、夫と暮らすストレスや苦痛を天秤にかけた場合、どちらが得か、じっくり考えてほしい。
※女性セブン2015年11月26日号