連続ドラマ『5→9~私に恋したお坊さん~』(フジテレビ系)では、雑巾がけや裁縫などの花嫁修業、姑のイヤミ、古いしきたりなど、お寺の生活が描かれているが、実際お寺の生活はどんなものなのか? 以下、3人の「お坊さんの嫁」がリアルな本音をぶっちゃけてくれた。
◇座談会参加者
A子さん…20代、結婚1年目。婚家は神奈川県内の日蓮宗。
B子さん…40代、結婚15年。婚家は信州にある曹洞宗の禅寺。
C子さん…50代、結婚30年。婚家は大阪の浄土宗。
A子:去年、嫁いだ新人です。旦那は同じ年の26才。義理の両親はかわいがってくれますが、見た目はちょいちょいダメ出しされます。私、アパレル関係で働いているので、派手なんですよ。今でこそ黒髪ですけど、交際中は金髪や緑だったので、結婚式で当時の写真がスライドで流れた時には、新郎側の親族席がザワザワと…(笑い)。
B子:40代になると白髪を染めるけれど、ダークブラウンが限界かな。檀家さんにお茶出しをするから、ネイルもNG。たまにマニキュアを塗っても、1日で落とさなきゃいけないから、ストレスが溜まる!
A子:ウチもまつエクとネイルを禁止されましたが、泣き落としでなんとか! でも私も、結婚式では折れて和装で挙げましたよ。ウエディングドレス、ちっちゃい頃からの憧れだったんだけどな。
C子:お寺に嫁いで大変なことはない?
A子:あります! どこで檀家さんに見られているかわからないから、近所を歩くのがいちばん緊張します。気軽に道端で食べ物をほおばれなくなりました。ツイッターで「歩き食いができなくなった」と、ぼやいています(笑い)。義理の両親も見ているからやりづらいけど、ストレス解消のツイッターはやめられないですね。
B子:私は結婚当初、なかなか檀家のみなさまと仲よくなれなくて悩みましたね。見かねた姑が、「御詠歌を習って、檀家のご婦人がたに教えたらいい」とアドバイスをくれて、偉い先生に学びました。御詠歌は讃美歌のようなもので、通夜や法事で歌うんです。嫁入り修業と思って頑張りましたよ。
C子:お寺の嫁ならではの修業よね。私が檀家さんとの関係で大変だったのは、跡取り問題。ホラ、お寺の嫁の務めといったら後継者づくりでしょう。顔を合わせるたびに、まだかまだかとプレッシャーをかけられて。息子が生まれた時にはホッとしたわ。
B子:浄土真宗なら女性でも住職になれますけど、禅宗では男性でないとダメ。檀家さんから、やれマムシドリンクだ、自然薯だ、うなぎだと、これでもかと精がつく食べ物が差し入れられる。「若さんに食べさせてあげて!」って、言われても―住職には言えないのに、嫁相手だと言いやすいみたいで。
C子:私が嫁いだ頃は檀家さんがよくお寺にいらしていて、子供部屋を覗いては息子に「漫画を読まないで勉強しろよ」と叱ったりしたの。頭を抱えたものだわ。
※女性セブン2015年11月26日号