11年ぶりに芸能界復帰を果たした元猿岩石の森脇和成(41)。テレビ出演第一弾となった10月末放送の『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)以降、『全力!脱力タイムズ』、『ごきげんよう』(ともにフジテレビ系)などで出演機会はあったものの、まだまだ“復帰ボーナス”の意味合いは強く、本格的に活躍できるかどうかは未知数である。果たして森脇は、芸能界で生き残ることができるのか。
ライターの仁科友里さんはこう指摘する。
「正直、厳しいと思います。これまで行き当たりばったりの行動が目立つ森脇さんは、今回も有吉さんの成功を見て、『俺も行けるんじゃないか』と思ったのかもしれません。7月に一般人として出演した『しくじり先生』は、台本ありきの番組。『さんま御殿』も話せたのは冒頭だけでした。今の芸能界で通用するだけのトーク力があるかは微妙なところです。
そもそも猿岩石が売れたのは、ヒッチハイクの企画がヒットしたからです。果たして当時のことをお笑いの実績に入れていいのか。有吉さんはオール巨人さんに弟子入りするなど、最初からお笑いの世界で成功することだけを考えた人生を歩んできました。また売れない時期でも上島竜兵さんや高田文夫さんから面白いと評価されていたように、玄人受けする実力もありました。ピン芸人としてテレビに出るようになっても、いきなり今の地位を築いたわけではなく、小さな仕事をコツコツと積み上げて、あだ名付けでブレイクしました。同じコンビでも、お笑いのバックボーンは全く異なる二人なのです」
売れなくなっても芸人を続けてきた有吉と、あっさり辞めてしまった森脇。その差はあまりにも大きく開いてしまった。森脇がいない11年の間に、お笑い界も様変わりしている。一部の後輩芸人から見れば「自分よりキャリアの短い先輩」という微妙な存在でもあり、扱いづらさは否めない。
「今お笑いの世界で生き残れるのは、他の芸人からパスを受けて持ちネタを披露できる人か、フリートークのうまい人です。森脇さんはそのどちらでもありません。ヒッチハイクネタはもう古いですし、森脇さんにどんなパスを出せばいいのか、周囲の芸人も分からないと思います。
経営していたサパークラブを半年で潰したように、森脇さんは何をするにも準備不足。復帰するにあたっても、しっかりネタを準備してきたかは疑問です」(仁科さん)
現状からは、森脇が活躍する姿を想像するのは難しい。ではいったい、どんな番組なら活路を見出すことができるのか。
「サラリーマン時代に輸入時計を扱っていたことがあるそうですから、物を見る目は養われたと思います。お宝鑑定の番組や、通販番組などは向いているかもしれません。通販番組は台本があるので、フリートークの弱点もカバーできます。
ただ、『この人といえばコレ』という売りがないと、何をするにもキツイですね。森脇さんがすぐできそうなのは、“ダメキャラ売り”でしょうか。芸人にはトップ営業マンだった人が少なくありませんが、森脇さんはサラリーマン時代の営業成績も悪かったといいます。ダメキャラとして視聴者の共感を得られれば、チャンスはあるかもしれません」(仁科さん)
しかしこの“ポンコツ芸人枠”はすでに狩野英孝や三四郎の小宮浩信などで席は埋まっているという。サラリーマン時代の経験を生かすも殺すも森脇次第。前途多難な道のりをどう歩むか、注目したい。