警察庁の調べによると、ストーカー事案の認知件数は昨年は22823件で、2000年の通称「ストーカー規制法」施行から10倍に増えた。そして、ストーカーになるのは配偶者や交際相手が59.6%で、面識のないケースは5.8%だという。ストーカー行為の6割は、別れを原因に始まる。つまり、上手に別れることが相手をストーカーにしないための予防になる。
別れの言葉として避けたいのが「もう無理」とか「さようなら」などのあいまいな表現。相手は「無理ってどういうこと?」と納得しない。また、婉曲な表現だと相手に復縁の希望を抱かせてしまう。「もう関係を終わらせたい」という意志を明確な言葉で表現し、その後は一切連絡を取らないことが大切だ。
「親の介護があるなどのウソをつくと後でバレた時に一層事態が悪化します。また、相手を責めたり、悪口を言ってしまいがちですが、逆上させるだけ。『私はあなたといるのが苦しいので別れます』と端的に伝えましょう」(心理カウンセラーで、NPO法人ヒューマニティ理事長の小早川明子さん)
しかしこんな問題も。
「つきあっている間はDVをされているケースも多いため、被害者は自分の気持ちや意志をハッキリ表現できなくなっていることが少なくありません。この場合、密室で一対一で別れを切り出すのはより一層危険です」(NPO法人 女性・人権支援センターステップ理事長の栗原加代美さん)
できれば昼間、ホテルのラウンジや喫茶店など、周囲に人がいる場所を選ぶべきだ。さらにこんなアドバイスも。
「警察や弁護士など、第三者の立ち会いの下、別れを言えば、彼らは証人になりますし、加害者も冷静さを保てます」(弁護士・金秀香さん)
ただし、立会人を親などの近親者にすると、逆恨みされることもある。新しい恋人の立ち会いの下、などというのは論外。逆上されてしまう。立ち会ってもらう場合は、人選も大切。警察か弁護士に依頼しよう。
※女性セブン2015年12月3日号