号砲まで50日を切った箱根駅伝の“デッドヒート”はすでに始まっている。その中心にいるのは箱根王者・青山学院大、そして同校を率いる「異色の指導者」原晋監督だ。全日本大学駅伝ではライバルの東洋大・駒澤大の「青学潰し包囲網」に苦杯を嘗めた青学大だが、自他共に認める「負けず嫌い」の原監督に、巻き返しの秘策はあるのか──。
前号では東洋大、駒澤大の「青学包囲網」が往路勝負を仕掛けてくる可能性について触れたが、スポーツライターの酒井政人氏は、「箱根での復讐」のために、原監督はこんな策を用意しているのではと語る。
「5区の神野大地(4年)にひとつでも上の順位で襷を渡すため、往路に主力選手を置いてくるのが青学大の戦略でしょう。そうなると注目は各校がエース級を投入する花の2区。青学大は今年と同じ一色恭志(3年)を置いてくるでしょう。
彼は今年の箱根でも区間3位の好走。今年はさらに成長し、ユニバーシアードのハーフマラソンでは銀メダルを獲得。出雲ではアンカーとして優勝のゴールテープを切り、さらに全日本でも区間2位と好調を維持しています。
一色選手が2区終盤の山場・権太坂のあたりで他校を引き離し、5区・神野にトップで襷を繋ぐ。そうすれば往路で圧倒的な差をつけ、復路が“消化試合”になる可能性が出てきます」
原監督の「倍返し」は見られるか。
※週刊ポスト2015年11月27日・12月4日号