世の中にはいろいろなダイエット法が存在しているが、果たして本当に科学的に正しいのだろうか? たとえば、「糖質カットダイエット」。糖質を制限すれば、食べる量を減らさなくても体重を落とすことができるというダイエット法だが、これに対し間違っていると指摘するのは、『先生、医者代減らすと寿命が延びるって本当ですか?』(小学館刊)を上梓した、医師の近藤誠先生だ。
近藤先生は「糖質は抜くのではなくコントロールを」とズバリいう。糖質は脳と体を動かすエネルギー源で、足りないと、体は自分の筋肉を分解してアミノ酸に変えていくので、長い間には血管や骨がもろくなり腎臓にも負担がかかる。近藤先生はこう話す。
「ただし糖質の多いご飯やパスタがいきなりドカッと胃に入ると、血糖値が一気に上がる。それを下げるために慌てて膵臓からインスリンが分泌され、それを繰り返すと、膵臓が慢性疲労に陥ります。そしてインスリンが出にくくなって血糖値が高止まりすると、糖尿病の原因になる。
ダイエットをするなら糖質をカットするのでなく、食べる順番を変えることです。まず、血糖値の急上昇を招くご飯、パン、麺・パスタ、いも類、スイーツなどのドカ食いをやめること。最初に糖質の少ないおひたしやサラダ、魚、肉、卵、乳製品を食べて、ご飯やパンなどはあと回しにすることで、血糖値の急上昇は抑えられます。和洋をとわず、コース料理は理にかなっているのです。
糖質を抜けば体重は減るかもしれませんが、体をこわしたら本末転倒です。当たり前のことですが、バランスのいい食事を適量食べることが健康的でいちばんいい。最良のダイエット法だと思います」
※女性セブン2015年12月3日号