華やかな女子プロゴルフの世界で生きる若き乙女たちはアスリートである前に1人の女性である。史上初の高校生プロゴルファーとなったことで話題となった宮里藍、そして宮里とともにゴルフ人気復活に貢献した横峯さくらにとっても、男性の存在はモチベーションに大きく影響する。
11月初旬に行なわれた、日米女子プロゴルフ協会が共催する公式戦「TOTOジャパンクラシック」は、アン・ソンジュ(韓国)がプレーオフを制し優勝した。
この試合にはアメリカLPGAから選手が大挙出場したとはいえ、ベスト10を占めたのは外国人勢。日本人選手は3人が12位タイに並ぶのがやっとだった。米ツアーから参戦し期待された横峯さくらは48位タイに沈み、同じく帰国した宮里藍に至っては出場資格がなく、ウェイティング登録(欠場者が出るとランキング上位から出場できる)のみで終わった。
今年の宮里は26試合に出て賞金14万ドル、ランキング78位。現在、来季のシード権が与えられる80位以内をなんとかキープしている。
「今年、シーズン中に帰国して出場した国内の4試合はすべて予選落ちしており、成績不振が際立っています。最近はゴルフに対するモチベーションを感じない。今回のTOTOも練習ラウンドすらせず、最後までコースに姿を現わしていませんからね。彼女の目は別の方へ向き始めているのかもしれません」(ゴルフ誌記者)
宮里は今年の6月、30歳になった。誕生日の直前に行なわれた「サントリー・レディス」では、こんな発言をしている。
「30代になれば結婚もしたいし、子供も欲しいと思いますが……」
前出の記者が続ける。
「藍ちゃんにはかねてから結婚を噂されている男性がいますが、なかなか進展せず、その煮え切らない関係に引っ張られるように成績が低下している。元々、先輩プロの結婚を心から喜ぶ子で、『女性として幸せなことがあればゴルフも頑張れる』という考え方の持ち主。最近は思うところがあるのでしょうね。古くからの友人の横峯の結婚もあったし……」
横峯は昨年結婚。実は宮里は今季から、その横峯の夫・森川陽太郎氏にメンタルトレーナーとして指導を仰いでいる。だがそれが、思わぬ事態を生んでいるという。ゴルフジャーナリストが語る。
「なかなか結果が出ないので森川氏も真剣に藍ちゃんの指導を行なっているが、それで妻につきっきりでなくなったためなのか、今度は横峯の成績が低下し始めた。横峯は森川氏に心酔していて、結婚前の交際時から精神面で頼りきり。もともと海外が好きではなかった横峯がまさかの海外挑戦をしたのも、森川氏の助言があったためといわれているくらいですから」
そこには複雑な乙女心があるということだろうか。
※週刊ポスト2015年11月27日・12月4日号