「このコート私も欲しい」。この言葉とともに、タレントの中村アン(28才)が自身のインスタグラムに投稿した写真が物議を醸している。その理由は中村がまとっているコートが、ファー(毛皮)だったから。
「影響力のあるかただけに残念です…ファーはとても残酷ですよ」
「何匹分だろう。かわいそう」
「どんな人であっても、私はその人に胸を張ってリアルファーはいけないと言えます。現実はとても酷く、悲惨であり、その事実は誰にでも知る権利があると私は思います。動物の死が、ファッションの為に必要であるかどうか。もちろん必要ではありません」
中村は、着ているファーがフェイクかリアルか言及していないものの、そんな批判が殺到、炎上してしまったのだ。
少し前まで、うっとりするような光沢と手触りを持つリアルファーは女性たちの憧れで、パールのアクセサリーやエルメスのバーキンなどと並んで、いつかは手に入れたい淑女のアイテムだったはず。それなのに、今では「欲しい」と言うだけで、糾弾されるようになっている。
その動きは、ネット上だけでなく“リアル”な世界でも見ることができる。中村が写真を公開する前の9月27日、ファッションの祭典「東京ガールズコレクション」が開催された代々木体育館の前には「毛皮反対」のプラカードを持った人たちが詰めかけていた。これは、コレクションに参加しているブランドのうち、リアルファーを使っているブランドに抗議を示すためのもの。翌月の17日には、そこからほど近い代々木公園のケヤキ並木道でも、大規模な「毛皮反対のデモ行進」が行われた。
有名人では女優の杉本彩(47才)や、フリーアナウンサーの滝川クリステル(38才)がリアルファーを着ないと宣言をしている。
リアルファーに反対する声が上がっているのは日本だけではない。海外ではもっと大きな動きとなっている。ブリジット・バルドー(81才)やアンジェリーナ・ジョリー(40才)、ペネロペ・クルス(41才)ら各国を代表するセレブたちがこぞって毛皮反対を表明している。
オルセン姉妹がリアルファーを使った作品を発表したときや、歌姫ビヨンセ(34才)がファーをまとってビーガンレストランに行ったときには、動物愛護団体らが彼女たちを強く非難している。
※女性セブン2015年12月10日号