全日本国民的美少女コンテストで審査員特別賞を受賞し13才で芸能界入り。その後、ドラマや映画に幅広く活躍する女優・忽那汐里(22才)。12月5日公開の映画『海難1890』でヒロイン役を務めた彼女が、映画の苦労やこだわりを語ってくれた。
――1890年に医師助手をしているハルと、その95年後、テヘランで日本学校の教師をしている春海。2役を演じていますが、どんなところで苦労しましたか?
忽那:最初の串本(和歌山県)での撮影というのが、トラウマが原因で声が出せない女の子の役だったんです。言葉が全てではないんですけど、実際耳で聞いて表現できることって大きくて。それが排除されてしまうと、受け身になりやすいというか。そのあたりを自分だけの世界ではなくて、そこに居合わせているほかのかたと混ざり合っていくということが、すごく大きな課題でした。
――どう乗り越えたのでしょうか?
忽那:役作りの根本的なものになってしまいますけど、困ったときは監督に相談していました。その時の心境、感情、日常生活に、彼女がどれくらいのトラウマを意識して生活していたのか、確認しながら演じました。
――役や演技のこだわりを教えてください。
忽那:私の役は実在の人物ではないのですが、本当にあったお話をするときって、何か違う責任を感じます。(実際に事故のあった)串本で撮影をしたので、地元の方々の期待ですとか。このお話に関して、あまりにも熱い想いを肌で感じているうちに、世界の方々になるべく嘘がないように伝えたいという気持ちでした。
――感動する物語ですね。
忽那:トルコの方たちがエルトゥールル号の絆を覚えていて、イラン・イラク戦争勃発時の救出劇につながった。こんなことって起こり得るのかなって思ってしまうほど、すごく奇跡のお話だなって思いますね。
トルコのかたのおかげで、助かった日本人。台本を読んで、すごくショックだったんです、こんなことって実際にあるんだなって。でも、それが日本ではその後、語り継がれていないのが残念ですね。
―― 一番印象に残っているシーンは?