『NEWS23』(TBS系)のメーンキャスター・膳場貴子アナウンサーが生放送で産休を宣言。同番組への復帰への意欲を述べた。ところが、10月末のこと、TBS報道局幹部から呼び出されて、来年3月をもって専属契約を終わりにしたいと告げられたという。また自らの降板報道も出たが、本人はそれを否定している。
妊娠や出産、育児を理由に退職を強要したり、降格などの不利益な扱いをすることは「マタニティーハラスメント(マタハラ)」と呼ばれる。
男女雇用機会均等法は事業主にそうした労働者の取り扱いを禁じており、厚労省がこの9月、妊娠・出産を経験した派遣社員に実態調査をしたところ、48%が「マタハラの経験がある」と回答した。
労働法務が専門の伊倉秀知弁護士が指摘する。
「膳場さんがTBS1局に独占的に出演し、他局には出演していなかったとすれば、完全なフリーランスというよりも、事業主と『雇用契約』を結んでいる契約社員や嘱託社員に近いと考えられます。
一般論として、雇用契約であれば、結婚や妊娠を理由にした『解雇』は男女雇用機会均等法に違反するとの判例がたくさん出ています。有期雇用の期間満了ということであっても、妊娠・出産を理由に雇い止めをすることはできません。
もし約10年にわたって雇用契約をしてきたとすれば、その契約を打ち切るためには、妊娠以外の相当の理由が必要です」
「女子アナ30才定年説」という言葉があるほど、局アナもフリーアナもその多くが30才前後で結婚、妊娠するとキャリアを捨てて家庭に入る。
ところが膳場アナはプロフェッショナルとしてキャスターの仕事に携わり続けてきた。それで離婚も経験したこともある。そんな膳場アナに、理由が出産であるかないかは別にしても、産休直前というタイミングで、事前の相談なしに契約の打ち切りを伝えるべきだったのだろうか?
※女性セブン2015年12月17日号