ライフ

品薄バターはいったいどこに消えているのか 製菓店主も困惑 

品薄が続くバター

 今年も「バター不足」という。しかしそこにはミステリーがあるようだ。食文化に詳しい編集・ライターの松浦達也氏が解説する。

 * * *
 何回目の既視感だろう。クリスマスシーズンを目前に、今年もまたバターが品薄になっている。そのたびに「生乳生産量が少なかった」という全体的な問題から、「牛の夏バテで、秋口に生乳生産量が落ちるからだ」という牛の生態を指摘する声、それに「大手乳業メーカーの寡占が問題だ」「いや、農水省の天下り団体がバターの輸入業務を独占しているせいだ」といった陰謀説までが飛び交う。

 だが、今年の品薄には誰もがクビをひねっている。

 確かに本年度の数字(見込み値)を見ると、バターの生産量は昨年の61万7000トンから65万9000トンと7%増。在庫量に至っては昨年の17万8000トンから21万4000トンと19.8%増。生産量と輸入量を合わせると、消費量より3万5000トンも多い。なのに、店頭ではバターが品薄になっている。いったいバターはどこに消えているのか。ちょっとしたホラーのようである。

「生乳の総量は足りているそうですし、メーカーもバターを増産していて『卸しているはずなのに、末端の店頭に出回らない』と不思議がっていました。もともと生産における優先順位が低いのはともかく、増産した分はどこへ……」(酪農家・40代・北海道)

 一部に「チーズ向け生乳には補助金が出るからメーカーがチーズの増産に切り替えた結果、バターが減った」という見方もあったが、実は補給金はバターにも出る。

 2015年度で言えばチーズ向け15.53円/kg、バター等向けにも12.90円/kgの補給金は出る。その上、バター向けの交付対象数量はチーズの3倍以上と圧倒的に多い。確かに飲用向けの生乳の取引価格が約100円とすると、バターは約70円程度に抑えられているが、チーズにしても60円程度。バターが出まわらないのは、チーズのせいではないという。では問題はどこにあるのか。

関連記事

トピックス

天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
胴回りにコルセットを巻いて病院に到着した豊川悦司(2024年11月中旬)
《鎮痛剤も効かないほど…》豊川悦司、腰痛悪化で極秘手術 現在は家族のもとでリハビリ生活「愛娘との時間を充実させたい」父親としての思いも
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン