年賀状のシーズンに、一気に需要が増える筆ペン。誰もが手にしたことのあるこの筆記具をヒット商品に育て上げたのは、1902年、明治35年創業の『呉竹』だ。1973年の発売以来日本はもとより、欧米、アジアなど世界80か国以上で愛用されている。
「墨やすずりを用意しなくても、毛筆が苦手なかたでも、手軽で簡単に筆文字が書けるものとして開発されました」
そう語るのは、企画マーケティング部の大城由紀さん。
筆圧の強弱によって太い文字、細い文字が自在に書けて、トメ・ハネ・ハライなど、書に必要な基本的な筆の運びが表現できる筆ペン。
発売当初は硬筆タイプだったが、その後、より毛筆に近いタイプ、インクや穂先の取り換えが可能なタイプも開発された。
そして、1981年に発売されたのが、写真の「くれ竹万年毛筆」だ。
「これは毛筆が多用されていた時代に使われていた“矢立”という、墨と筆を一緒にして持ち運ぶための文具をモチーフにしたものです。携帯に便利で、フォーマルな場面の使用にもふさわしい筆ペンとして、永く愛用いただける1本です」(大城さん)
2004年には、穂先に天然のイタチ毛を使用した、万年毛筆の最上級品の『夢銀河』シリーズを発売。イタチ毛はインク含みがよく、ナイロン毛では得られない独特のコシがあり、しなやかかつ力強い文字を書くことができる。軸の直径はやや太めの軸径13.3mmで、高級万年筆のような使い心地だ。
軸には京都オパール、鹿角などを使用した高級ラインの中で、2015年に誕生したのが『山中塗蒔絵』。
北陸新幹線開通に伴い注目を集める石川県の山中塗蒔絵の名匠によって1本1本手描きされた軸は、プレミア感が高く、クールジャパンの一品として、海外でも好評価を得ている。
「くれ竹 万年毛筆 夢銀河 山中塗蒔絵」
DAY140-50(華やぎの牡丹 中字 4万1040円)
※女性セブン2015年12月17日号