「経済の千里眼」の異名をとる経済評論家・菅下清廣氏の最新刊『2016年にやってくる「株高7年波動」に乗れ!』の“超強気予測”が兜町で話題になっている。独自の「波動理論」に従えば、2016年7月頃にアベノミクス相場の最初の天井をつけるという。なぜそうなるのか、菅下氏に聞いた。
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読者の皆さんが知りたいのは、何といっても今後の株式相場が上がるのか、下がるのかでしょう。私は常日頃、「私の予想は必ず当たる」「この銘柄を買えば絶対儲かる」などとは決していいません。
何十年も相場の世界で生きてきて、バブル崩壊もリーマン・ショックも乗り越えた経験から、むしろ相場は「一寸先は闇」と肝に銘じているからです。いつでも楽観シナリオ、中立シナリオ、悲観シナリオを考え、そのなかで最も可能性の高いのはどれか、慎重に判断しています。
そのうえで、2016年は「楽観シナリオ」の可能性が非常に高くなっていると見ています。その理由が「7年波動」と「半値戻しの法則」です。
相場には波があります。幾何学模様のように正確に繰り返すわけではありませんが、古くから市場関係者に重視されてきたいくつかのサイクルは、時代や経済環境が変わっても重要性は変わりません。私が「波動」と呼ぶのは、そうした相場のサイクルや値動きの経験則のことです。
来年の市場で重要なのは「ジュグラー・サイクル」といわれる波動です。これは設備投資循環によって起きるとされ、経済理論では7~8年周期とも10年周期ともいわれます。私は過去のケースを分析した結果、株式相場ではこのサイクルが7年になるケースが多いことを突き止めました。
典型的なのは、あのバブル相場を形成した1982~1989年の7年サイクルです。1982年10月に6849円で底値をつけた日経平均株価は、そこから一気に上昇気流に乗り、1989年12月に3万8957円で天井をつけて終わりました。ちょうど7年で株価は約6倍になったのです。