幕末維新の吉田松蔭の妹・文を井上真央(28才)が演じ、幕末から明治までの激動の時代を描いてきたNHK大河『花燃ゆ』も、12月13日の最終回(第50話)を残すのみ。
49話までの平均視聴率は11.9%。最終回の数字次第では、『平清盛』(2012年)の12.0%を抜いて大河史上ワースト記録を更新するかもしれないという瀬戸際だ。
「吉田松蔭の妹という無名の女性が主人公なので、その足跡の記録もあまり残されておらず、どんなストーリー展開にするかが難しかった。序盤は脚本家2人でスタートしましたが、視聴率が低調なこともあって、テコ入れで1人追加されて3人に。それでも復調しないので、秋以降は3人とも外れて、新しい脚本家1人に変わったんです。
それだけに脚本の方向性がブレて定まらず、しかも、その場しのぎでお笑いコンビや人気アイドルを突然ゲスト出演させるなど、最後まで迷走が続いてしまいました。そんななかで取り返しのつかない大騒動が起きてしまって…」(NHK関係者)
ドラマの迷走に大きな被害を受けたというのが、文にゆかりのある山口県防府市だ。長州(山口県)出身の文と夫の楫取素彦(大沢たかお・47才)は、富岡製糸場のある群馬で活躍した後、防府市で30年以上の余生を過ごし、ふたりの墓もここにある。そこで市は1億2000万円をかけて『ほうふ花燃ゆ大河ドラマ館「文の防府日和。」』を作り、ドラマ初回に合わせてオープンした。
JR防府駅近くの複合商業施設内にあるドラマ館には番組関連のパネルや撮影衣装がズラリ。ドラマの舞台となり、知名度がアップして市民や観光客が多数来場―と見込んでいたのだが、雲行きが怪しくなった。
「当初、最終回までの数話は防府市がドラマの舞台になり、この地に日本初の仏教系の幼稚園を設立した文が園児らにおにぎりを作るシーンなどがあるはずでした。ところが、序盤の長州編の視聴率がイマイチで、群馬に舞台を移すとやや上向きになったので、脚本を変更。最終回は東京にある鹿鳴館で文と楫取がダンスを踊る華やかなシーンになり防府市でのシーンは一切なくなってしまったんです。ドラマ後のナレーションで触れる程度でしょう」(前出・NHK関係者)