妻が強姦されたと思い込み復讐に走った男は、凶器を手に、敵の局部を切り落とし、トイレへ流した…。センセーショナルなこの事件は、世の男たちを震え上がらせた。弁護士局部切断事件から約4か月。加害者の妻の噓がすべての始まりだったということが、法廷で明らかになった。
『自分のついた嘘を真実だと思い込む人』(朝日新書)の著書がある精神科医の片田珠美さんはこう語る。
「理想と現実のギャップで欲求不満を抱き、埋めるためにつくのが嘘。両者の格差が広がる昨今、嘘が原因で起こる事件は益々増えていくと確信しています」(片田さん)
嘘を見抜くにはコツがあると片田さんは言い、以下にまとめた“嘘を見抜く5つの法則”を教えてくれた。
●まずは疑う
「会話の中で、“なんだか妙な感じがする”という違和感があれば、用心するべきです」
●質問する
「嘘を見抜かれないように必死でつじつまを合わせようとして、ボロが出ることも」
●嘘だと知っていることを、しばらく黙っておく
「疑いの根拠となった情報を胸にしまい、嘘の証拠となる正確な情報を集めておく。相手がどこまで真相を掴んでいるのかわからないまま、問い詰められるのは相当な心理的プレッシャーがかかる。不自然な様子があれば質問を畳みかけて、相手の心身のコントロールを崩していく」
●以前に話したことを、繰り返すように頼む
「何週間、何か月も前に聞いた話を蒸し返すと効果的。すぐにボロが出るか、ボロを出さないために黙りこむか、行動で嘘の察しもつく」
●嘘をついている時と通常の言動を比較してみる
「いつもお土産なんか買ってこない夫が唐突にマカロンを買ってきたと思ったら、浮気をしていた、など。嘘をつくやましさが、日常とは違う言動になって表れるのです」
多くの場合、理想と現実のギャップを埋めるために、人は嘘をつく。