死んだ後にどんな墓にどう入るべきか──。そんな悩みを抱えている人も多いだろうが、今年9月にわずか54歳の若さで死去した女優・川島なお美も、生前に自らが入る墓の購入を検討していた。
東京・麻布十番にある創建300年超の古刹に、政財界、芸能界などで交流のある知人と「墓友」になるべく生前墓の購入を予定していたという。
「寺院の中にある墓地の一角には、与謝野馨・元官房長官や経営コンサルタントの堀紘一さん、作曲家の三枝成彰さん、森本敏・元防衛大臣、それに俳優の奥田瑛二さんと安藤和津さんのご夫妻が墓を買っています。そこに奥田さんと交流のある川島さん夫妻もお墓を購入することを検討していたんです」(寺院の関係者)
川島を加えた「墓友」のメンバーは、共著『私の死生観』(角川oneテーマ21)で、それぞれの「終活」について語り合い、その関係を明かしている。
川島はその中で、パティシエの夫・鎧塚俊彦氏との墓購入をめぐるやり取りについてこんなふうに記している。
〈お墓仲間の皆さんのそばの墓地を買うことについて、主人は「死んでからまで先輩たちに気をつかわなければらないのは嫌だ」って言ってましたけど(笑)。
三枝成彰先生や奥田瑛二さんからは「トシちゃん(注・鎧塚氏)が夫婦喧嘩するたびに使っているサウナも近いし、あの世に行ってからも逃げ込めるからって口説くといいよ。絶対に来てね」とラブコールをいただいているんです。そんな冗談も説得材料になるし、いずれ、と思っているところですね〉
鎧塚氏も長男ではないので、いずれ2人の墓が必要になる、と考えていたようだ。
また、子供のいない夫婦だったため、〈皆さんと同じところに入れば、墓守フレンズとして必ずどなたかにお墓をみてもらえる(笑)。奥田さんも、娘さんたちがお墓をみるからと言ってくれているし、そこがいいところですね〉(前掲書)という“メリット”もあると明かしている。
しかし、墓を購入する前に川島は急逝。納骨先について鎧塚氏の所属事務所は「何も決まっていません。まだ納骨は済んでいませんし、何も確定した話はないんです」と答えるのみで、故人の希望通りになるかは、まだわからない。
※週刊ポスト2015年12月25日号