「爆買い」と「トリプルスリー」に決まった2015年の「ユーキャン・新語・流行語大賞」。時代を映し続けるこのイベントの審査員を務める女優・室井滋さんと漫画家・やくみつるさんは、どんなふうに流行語を、受賞者を見ているのだろうか──。授賞式の夜に初対談をしました!
室井:新語・流行語大賞って、芸人さんが受賞すると一発屋になるというジンクスがあるでしょ。今年はとにかく明るい安村さんが入賞されましたけど、ご本人はやっぱりちょっと複雑な心境なのかなあ。
やく:いや、そういう現象があまりにも続いたので、むしろオイシイんじゃないですか。ついこの間も波田陽区(2004年入賞)が「しくじり先生」に出てたし、バラエティー番組にはけっこうそういう芸人枠がありますから。とらないよりはとった方がいい、とったもん勝ちですよ。
室井:そういえば安村さんは去年から狙ってたとおっしゃってましたね。あのかた本当に明るいし、来年も活躍してもらいたいな。
やく:ギャグはどうしても賞味期限があるけど、そこに新しいネタをかぶせていけばまた違いますから。ちょっと古い例だけど牧伸二の「やんなっちゃった」、あれはずっと同じことをやっているように見えて、やんなっちゃうことがその都度変わっていくじゃないですか。ああなると強い。安村くんもね、今はあの姿だけど、きっと服を着る時が来るんでしょう。服を着た時にどうやってわれわれを安心させてくれるか。
室井:それ、楽しみですね(笑い)。
やく:ぱっと見はわからないよーにじわじわ、「あれ? よく見ると着てるな」とかね。ひょっとすると毎年芸名を変えるといいかもしれない。来年は「引き続き明るい安村」、再来年は「依然明るい安村」、安村くんの新しい芸名が発表されると「あ、今年ももうそんな時期か」と思う、そうなったら勝ちです。
室井:間違いないですね。そしたら一発屋のジンクスも破られるし、絶対いいと思う。やくさん、そう教えてあげたら?
やく:教えてあげたいな。そもそも狙ってとれる賞じゃないから、狙ってとった安村くんは非常にレアケースなんです。爆笑問題の太田光は番組で一緒になるたびにとりたい、とりたいと言って私に言葉を提示してくるけど、かすりもしないですよ。
室井:ドラマでも一昨年の『あまちゃん』や『半沢直樹』みたいに言葉が流行ると強いから、各局いろんなフレーズを押し出してますけど、今年は残念ながら出ませんでしたね。私が4月期に出演した『マザー・ゲーム~彼女たちの階級』でも、「はっきり言わせていただきます」という木村文乃さんの決めぜりふがあったんですけど、狙って流行らせるのは本当に難しい。
やく:私も今年は「スー女(相撲女子)」を推してたのに、まさか予選で蹴られるとは思わなかったなあ。力及ばずという感じです。
※女性セブン2016年1月1日号