2016年シーズンへ向けて日本のプロ野球各球団は、監督はじめ首脳陣を大幅に入れ替えたチームが多い。なかには予想外の仰天人事も。表も裏も知り尽くす記者たちが、監督人事の裏話を明かす。
スポーツ紙セ・リーグ担当記者A:横浜の中畑清監督はとばっちり退任みたいなものでしょう。楽天の大久保博元監督が1年でクビになったのを見て、打撃の指導力を評価していた中畑監督が、コーチとしての招聘を求めた。しかし球団が拒否。意固地になった中畑氏が去ることになった。
スポーツ紙パ・リーグ担当記者B:代わって指揮を執ることになったのはラミレス。今年の6月からオリックスの巡回コーチを務めていたが、まさかの監督の座が回ってきた。
スポーツ紙遊軍記者C:阪神の金本知憲新監督の陰で、岡田彰布氏が悔しがっていることも付け加えたいですね。今シーズン、阪神OBの誰に聞いても「次は岡田監督」だったのに、まさかの展開になった。早大の先輩である中村勝広GMの急死も大きかった。
A:金本監督自身、関西ローカルの番組に出て、「当初はやる気がなかったが、球団から“2年連続最下位でもいいからやってくれ”といわれたから話を受けることにした」と、内幕を明かしていましたね。
C:しかし阪神球団はここぞとばかりに商売をしようと躍起ですね。金本監督だけでなく、二軍監督になった掛布雅之氏の2人は、球界の通例に反して背番号が現役時代のまま。これはグッズ販売を見込んでのことだといわれています。
この2人だけでなく、矢野燿大、今岡誠、片岡篤史各コーチのグッズまで企画中だと聞いた。二軍球場のある鳴尾浜にも、売店を作る計画があるそうです。まァ、我々スポーツ紙にとっても、“鉄人フィーバー”で紙面が作れて、かなり助けられているんですけどね(笑い)。
スポーツジャーナリストD:既存の監督も安泰ではないですよ。広島なんて、次が2年目の緒方孝市監督の更迭論がすでに噴出している。何でも元々は石井琢朗コーチも監督候補になっていたが、OB会の意向で緒方監督になったとかで、満場一致での擁立ではなかった。
石井氏も散々で、一塁コーチから三塁コーチに配置換えになったが、慣れないものでアウトのタイミングでも走者を回してしまい、「壊れた信号機」といわれています。ファンから相当叩かれたのを本人も気にしているのか、長年続けてきたブログの更新が止まってしまった。
※週刊ポスト2015年12月25日号