フィギュアスケートのグランプリファイナルで世界最高得点(330.43点)を叩き出し、前人未踏の3連覇を成し遂げた羽生結弦(21才)。誰もが認めるチャンピオンになった羽生だが、フィギュアを始めた頃は苦労も経験している。
フィギュアは道具代やリンク代、レッスン代など、1人年間100万円はかかるとされる“お金のかかるスポーツ”だ。羽生は仙台市内の中学校の教頭を務める父親と母親、フィギュアスケートをやっていた姉の4人家族。日本のどこにでもある、ごく普通の家庭だ。そんな羽生家にとって、フィギュアの金銭的負担は決して軽くなかった。
それでもメキメキと頭角を現す羽生を、家族は力を出し合って支えた。
「お姉さんは大学受験を機に自分が選手として大成する夢をあきらめて弟のサポートに撤するようになりました。競技経験者である彼女は羽生にとってよき理解者です」(フィギュア関係者)
姉は現在、仙台の羽生のホームリンクで受付を担当するなどして働きながら、羽生が仙台で練習する際に助言を続けているという。
いつも羽生をリンクに送り迎えをするのが父親の役割だ。この夏、羽生は約1か月間、仙台の実家に滞在してトレーニングに励んだ。昼間はリンクを貸し切りにできないので、羽生はほぼ毎日、深夜にリンクに向かって早朝に帰宅する生活を送っていた。
「ずっとお父さんが送り迎えしていました。いつも深夜2時ごろです。昼間は中学校に勤務しながらなので、睡眠時間も充分に取れず、相当大変だったはずです」(前出・フィギュア関係者)
2012年、高校3年生の羽生はコーチのブライアン・オーサー(53才)に師事するためカナダ・トロントに移り住む。この時、羽生とともに異国に赴いたのが母親だった。